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2017年09月18日
家族看護学会でいただいたご質問への回答
去る9月3日に、千葉で開催された日本家族看護学会第24回学術集会におきまして、
当会の活動「子どもの死とグリーフケアについて考える交流講座」の縮小版を、実演
いたしました。ご出席くださいました方々に、改めてお礼申し上げます。
質問を提出してくださった方への回答を、この場でさせていただきたいと思います。

質問@ 亡くなった後、赤ちゃんや家族に「頑張ったね」などと声をかけますが、両親や家族は医療者にどんな声をかけてもらうと救われるのか?

 発表者1:親も感じていて、看護師も感じていることを伝えてもらっていいと思います。娘は、待ちに待ったカテーテル検査の早朝に急変し亡くなりました。その日の担当の夜勤看護師が、「こんな大切な日に、ごめんなさい。」と言ってくれました。娘そして私達家族にとってとっても大切な日であったことを理解してくれて、こんな大切な日になんでという私の気持ちと同じ思いでいてくれているのだと感じ、素直に嬉しかったです。臨床では「ごめんなさい。」と簡単に言ってはいけないという傾向があるかとは思いますが、こんな大切な日に「ごめんなさい。」と親の気持ちに対し(なにかミスしたことに「ごめんなさい。」ではなく)言ってくれたことは嬉しかったです。

 発表者2:「頑張ったね」でいいと思います。医療者の方が感じている思いを率直に伝えてもらって構わないと思います。「悔しい」とか、「辛い」とか。親の気持ちに寄り添ってくれている感情なら聞きたいです。


質問A どのような接し方をすると、グリーフケアにつながるのか?

 発表者1:発表の中でもあったように、大切なわが子が大切にされたり、家族も大切にされたり、そしてできる限りニードを満たしてくれたり、その日々の1つ1つがグリーフケアにつながります。まずは、子どもの事をしっかり看てもらえることがグリーフケアにつながります。

 発表者2:やはり、日常の看護の関わりがグリーフケアに大きく影響すると思います。私の場合、子どもをよく看てもらえた、可愛がってもらえた、という思いがグリーフから立ち直るきっかけになりました。看取りの場面では「後悔」が残りましたが、日常的なケアをしっかりしてもらえたことで、「後悔」に折り合いをつけることができているのだと思います。


質問B どのような接し方をしてほしいのか?

 発表者1:まずは、挨拶をする、眼を見て会話する、そして話を聴く、基本的な事ですが、この基本的なことはして欲しいです。また、受持ち看護師さんでなくても、眼を見て挨拶をすることは、廊下や外来など病棟外でもして欲しいです。「その日の担当看護師になった時だけ」接する態度が変わるのは、不安です。

 発表者2:看取り直後は、自分にも余裕がなく、うまく気持ちを伝えられないまま、医療者(病院)主導でことが進んでいったように記憶しています。ゆっくりと時間をかけて、親の意向をきいてもらえたらよかったです。


質問C おうちに戻られてからの、家族の様子は、病院で知ることはできず、電話訪問という形でその後の様子をしるようにしているのですが、何か他にもしてほしいこと(こういうことがあったら…)などがあれば、教えていただけるとありがたいです。

 発表者1:退院してから、苦しい時にどこに助けを求めたらよいか分からなかったので、そんな時にはここに連絡したらいいですよとか、遺族会の紹介などあれば良かったと思います。私は、2年後に地域の保健師に苦しみを相談し、遺族会の「小さないのち」を紹介していただき、助けられました。

 発表者2:子どもを看取ってから数年後に、お世話になった看護師さんと再会する機会がありました。その時、看護師さんは「いつでも連絡してね」といって、携帯電話の番号を書いたメモ用紙をして渡してくれました。実際に電話することはなかったですが、「辛い時にはいつでも話を聞いてもらえる」と思うことで、随分救われました。病院を去るときに、このような対応をしてもらえていたら、最も辛く、苦しい時の支えになったのではないかと思います。「いつでも病院とつながれる」と思えるだけで支えになります。看護師さんの電話番号は「お守り」のようなもので、実際に電話をかけるようなことは私の場合はないと思います。


質問D “やっとお家に帰れるね”という言葉を使っていたことを、“こんな形で帰りたくなかったですね”と声をかけることに対しては大丈夫なのでしょうか?

 発表者1:親が今感じている思いと違うことを言われるよりは、いいと思います。でも、その言葉をかけるには、今までの親との関係性もあると思います。今までの闘病生活をよく分かっていて、思いも分かっている看護師さんから言われるとすーっと心に入ってくると思います。最期のお見送りの時に、一生懸命言葉を探し伝えても、日々の信頼関係が出来ていないと伝わりにくいと思います。やはり、日々の関わりが最後にかける言葉にも影響すると考えます。

 発表者2:本当にそう思ってくれているのなら “こんな形で帰りたくなかったですね” と声をかけてもらうのはいいと思います。

質問E 私の勤務しているところ(PICU)では、お亡くなりになったお子様のご家族には全てまた病院に来ていただいています。グリーフ外来として、Drは検査の結果を伝えて、しっかりと原因・診断を伝えること、ご家族の健康への配慮、サポート先の案内などをしており、Nsは共に話を聴いたりをしています。
その外来には、ほぼ1か月以内にされるのですが、Drの行っていることは、その位の時期で良いと思っていますが、Nsが話を聴く、病院に来ていただくというのは、1か月では早いのではないか、病院に来ると辛くなる方もいらっしゃるのではないか、と考えています。教えていただけますと幸いです。

 発表者1:医師の話を聞く為に、病院に来ることが出来る方は、お話を聴いてもいいと思います。時期は1ヶ月が早いというのは、その人それぞれだと思います。私は、1週間後(お葬式や手続きが落ち着く頃)が一番辛かったです。毎日病院に通っていたので、娘を天国に送ってから、朝が来ても病院に行くこともなく1日家に居る、その事実がとてもつらく、娘が亡くなってしまったことを突き付けられるように苦しかったです。その時に、娘の事を知ってくれている看護師さんとお話がしたかったです。

 発表者2:どのような闘病生活であったかなど、人によるのだと思いますが、私の場合は「1ヶ月」は早いとは思いません。昨日まで、懸命に世話をし、一緒に闘ってきた子どもがいなくなり、死別直後は1日1日をどうやって過ごせばよいか分からずにいました。そんな時こそ支援が必要でした。


質問F 「悲嘆の経過(過程)」があるように、受け止められないのも一つの段階として、医療者はとらえてしまう。ある程度、時間が解決してくれる場合もあるが、死後のその場でのNsの関わりとしてはどんなことが適切なのか。

 発表者1:何が適切かは分かりませんが、看護師さんの涙には救われました。大切な娘の死を、同じように悲しんでくれている、あの時の看護師さんや医師の涙には今でも救われています。それから、娘の頭を撫でてくれたり、「抱っこさせてください。」と言って、抱っこしながら娘に語りかけたりしてくれたことは嬉しかったです。

 発表者2:「死後のその場」となると、親はまだ子どもの死を受け入れる前の段階だと思います。子どもを死者としてではなく、今までと同様に扱ってくれると嬉しかったです。一緒に泣いてくれた医師や看護師さんの姿勢もありがたかったです。