高槻市立第八中学校

2009/04/16

2004年11月15日

この日の経験は、忘れられないものになると思いました。

前々日の講演の途中からとても声が出にくくなり、前日の講演では聞き取れないほどのかすれ声でしたが、両日とも大人の方々対象だったのでご容赦願うことができていました。

問題は中学校での「語り」です。

もう誰とも一言も話さず備えたのですが、当日朝、ヒ〜もハ〜も出なくなっているのです…。

 

体育館の入口まで行くと、先生が何度も「静かに!」と大きな声で…。

もう足がすくみました。申し訳ないばかりで。授業ができるわけがないと思いました。

 

私は、演台の前で、腰掛ける前にお願いしました。息だけで。

『声が出ません。おしゃべりする人が少しでもいたら、もう聞こえなくなってしまうので、どうかこんな息だけのような声でも聞こえるように、みなさん協力してください』と言い、頭を下げました。

 

祈る思いでしたが、無理だと思ってたのです。いままで私語のない学校には行ったことがありません。

よく聴いてくれていても、体育館でする場合、シーンと静まり返るということはありませんでした。

だから無理と決めてかかっていたのです。

 

ところが、60分間最後まで、本当にしゃべらないで聴いてくれました。

信じられないくらいだったのですが、信じないといけないと思いました。そう教わりました。

声が出て語るときの自分に欠けているものがあるのかもしれないし、お願いが通じたからかもしれないし、もちろん、この中学校の皆さんは元々そのように聴いてくれる人たちだったのかもしれないです。

 

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