第12回交流講座 質問への回答

2018/05/31

【質問1】今回例えばどのような言葉で在宅について説明されたなら、「帰れる」と思えていたでしょうか?

・どれだけ病気の事を理解しているか?どんなに深刻な病状でも、患者側は、根拠のない「希望」や「奇跡」を願い信じています。
少しの改善が「根治」につながる事ではないと分かっていても、本当に病気を受け止めたうえで向き合うには時間がかかります。

・私は、主治医は脳外科医と思っていました。しかし、外科的治療が終われば、主治医が変わるのでしょうか?「帰る」お話しは、血液腫瘍科からあったので、言われた事を受け入れられなかったのだと思います。

適用ではない。効果の期待は出来ない。など、マイナスの話しは最後にし、今が、いかに安心して自宅で過ごせる時期であるか、残された時間を病院で過ごす事が本当にいい事なのか?やがて、退院を迎える時期に、困らない様に手技の獲得などについて、主治医からお話しがあれば、捉え方も違ったのではないか?と思います。

そして、いつでもまた受け入れる事が出来るという保証も主治医から頂きたいと思いました。

一旦退院ではなく、「お家に帰る事も考えていい時期」「安心して家で過ごせる」「家族の時間が持てる」「家族はどう考えているか」「困った事があればいつでも受け入れる」などのキーワードがあれば、また違った考えになったかもしれません。

 

【質問2】人工呼吸器も装着し延命するうえで、体の変化についての情報が事前に伝えていたら、呼吸器を装着しないという決断に変化はあったか教えて下さい。

私は生々しいお話しを聞いたとしても「呼吸器選択」の意思は変わりません。

それは、患者の年齢や、発症時期、期間に関係していると思います。

娘は、深刻な状態になってから病院へ連れて行き、その数時間後に手術、脳ヘルニアを起こし、更に、内減圧、外減圧をして植物症となっています。残された時間が限られているなら、その時間を最大限、延ばしたいと思いました。
引き換えに、受け入れなければならない体の変化があるならば、覚悟を持って受け入れる。その覚悟がなければ選択してはいけないと思います。本来の寿命を、本人以外の意思で決めるのですから。

医師は、むやみに先々のお話しが出来ない事、必要な時期に、必要なお話しをされる事も知っています。

ですが、延命を望む場合は「血圧が下がる」「浮腫みもあるかもしれない」だけでなく、その意味を私は知りたかった。つまり、現象としてどんなことが起きるのか。

このような考え方をする者もいる事を知って頂きたいと思います。

医療の発展と共に、娘のような重症児になってしまう場合も少なくはないと思います。

どうか、私共の経験が次へ繋げて頂ける事を心から願っております。

この度は、本当に貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございました。

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【参加者のコメント】

日々の自分の活動やその中で何気なく発している言葉が、相手にどのように伝わっているのだろうと改めて考える機会となりました。
一緒に考える、思いを聴く、寄り添う姿勢を大切にしていきたいです。
ご貴重なお話をありがとうございました。

“いのちの限られていること”“これからおこること”医療者の見立てを患者・家族の認識のギャップに気付き、同じ目線で考えるための支援をこれからも考えていこうと思いました。

いつもいつも勉強させていただき感謝しております。
医療者の何気ない一言がどれだけ患者さん家族の心に影響するのか、分かっているつもりになっていましたが、改めて気を引き締めて声掛けをしていこうという気持ちになりました。
また参加させていただきます。

貴重なお話ありがとうございました。
「何かあったら」はよく言っているな・・・と反省しました。
私たちは、少しでも家で過ごしてほしいと思っていろいろなことをしていますが、まずは「何故帰るのか」「帰ることのメリット」「家族で過ごすことの意味」をちゃんと伝えてから話が進んでいく環境を作っていきたいと思いました。
ありがとうございました。

本日は貴重なお話ありがとうございました。
自分は救急に携わっているので短時間で子供たちにさまざまなことが起こります。
その都度ご家族には平易な言葉を用いてご説明していますが、不十分であることが改めて知れました。
特に重大な決定は「家族だけで決めた」とならないように、今後も気を配っていきたいと思いました。

お母さん いかに具体的な説明が大切か改めて学びました。
必ず**ちゃんとご家族の思いを今後に生かしていこうと思います。
これからも微力ながら見守らせていただけるよう努力したいと思います。
坂下さん 広報もお手伝いしたいと思います。ありがとうございました。

私は今訪看で在宅で看取りができるようになるための勉強しにまいりました。
病院では思ったような看取りができず、在宅にとびこんだのですが、今日の話が聞けてますますやる気がみなぎってまいりました。
これからもこちらの会に参加させてください。よろしくお願いします。

ママ、お疲れさまでした。
ママの思い、**ちゃんの思い、きちんとつなげていきます。

貴重なお話を本当にありがとうございました。
今日のお話でどう感じられている、どんな思いを抱えてられていたのかたくさん教えていただきました。
もっとお力になれることがあったのではないかと反省しております。
**ちゃんとママさんの存在は、たくさんのことを教えて頂き感謝しています。
ありがとうございます。
今日の学びももちろん、これまでに頂いた学びを臨床で生かしていきたいと思っています。

この会で発表される方々はみな、自分のお子さんに対して「こんなはずではなかった」という思いを強く持たれていると思いました。
「こんなはずではなかった」のは病気が自分の思いと違うこともそうですし、治療の経緯や結果、合併症についても納得いかない想いを持たれています。
そのことに対して私たちはどうすればというのは逆に永遠のテーマと思いますし、その都度考えていいきたいと思います。
今日は、特に13年間元気で暮らした女の子でしたので、そのことを強く思いました。

今日は、勇気を出してお話ししてくださり、ありがとうございました。
**ちゃんとママから日々の看護師としてどう患者と関わっていくべきかたくさんのことを学びをいただくことができました。
いつもしている説明が十分だったかどうか?患者様の話をしっかり聞くことができていたのか、自分の態度を振り返ることができました。
在宅に帰れると思えるような説明、本当に大切な課題です。
持ち帰り、医療者と家族がチームとして話し合っていけるようにかわっていけるように努力していきたいと思います。
本当にありがとうございました。

とても丁寧な細かい気持ちの描写に驚きました。とても労力のいる作業だったと思います。
自分が何気なく予測して行っていることが、こんなふうにママに伝わっているんだとかいろいろ衝撃でした。
担当看護師、訪問看護師の存在が大きな支えになっているということが、いち看護師として嬉しく感じました。
が、病状の大切な説明は、医師から聞きたいというお話はなるほどと思いました。
貴重なお話を本当にありがとうございました。

**ちゃんとの大切な時間の過ごしたお話を私たちにお話しいただいことに感謝いたします。
毎回、お母さんたちからの話を聞くたびに医療者として何をすべきかを考え直し反省する会となっています。
グループの発表では、全てお話しした内容を伝えることはできませんでしたが、私たちが使用する言葉のひとつひとつの意味や医師との橋渡しとして看護師の役割など考え直す必要があることや、受け持ち担当看護師としての役割の大きさなど、改めて感じました。
どんな時も、いつもそばで一生懸命自分のことを守ってくれているお母さんがいたこと、**ちゃんはどんなに心強かったかと思います。
こんなお母さんに私もそばにいてもらえたら安心して一日一日を送ることができるだろうと感じました。
ありがとうございました。

本日は貴重なお話をありがとうございました。
入院の時からのお母様の細かなお気持ちを聞かせて頂き、医療者の配慮したつもりの言葉は、つもりのままなことはまだまだ多く、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。
追い込まれる言葉、前を向ける言葉、これからも本人、ご家族とたくさん相談しながら見つけて関わらせていただきたいと思います。
たくさんの勇気ありがとうございました。

今日は貴重なお話をありがとうございました。
入院初日の不安いっぱいな**ちゃんとお母さん 家族さんにどんな声をかけたり、関わるのがよいのかなとまず考えながら聞かせて頂きました。
「何かあったら呼んでね」だけでなく、「お母さんが不安に思ったらいつでもなんでもよんでね」とか、具体的な言葉が必要なのかなと思いました。
在宅移行も、早く家に帰したいは、医療者のエゴになるのかなといろいろ考えながら聞かせて頂きました。
今日は本当にありがとうございました。

終末期の看取りの場面に立ち会ったことがなく、初めて娘を看取った母の思いを聴くことができ、大変勉強になりました。在宅へ移られる時、何もわからないまま不安があったというところで、改めて医療者はチームでそれぞれがサポートしていく必要があるのだと反省しました。
一人一人が家族の立場に立って考えていけるようにしていきたいと思います。

医療者は、患者側に説明して理解してもらって治療を選択してもらえたら、それが患者の希望だからと判断しがちですが、そこに医療者の意向がすりこまれていないかと、理解してはいるが、否定している場合もあるのではないかと思いを巡らす必要があると感じました。
すべてが終わってから気付くことも多いと実際感じます。
あらゆる可能性を説明して、判断してもらおうとしても「先生はすべきと思いますか」とこちらに判断をゆだねられることもあります。
とても難しく思います。
本日は貴重な発表をありがとうございました。

**ちゃんとお別れされてまだ日が浅い事、たくさんの医療関係者の前で話すことにとても大きな勇気が必要であったのではないかとお母様のお気持ちを想像しておりました。
退院されてからはなかなかご家族とお会いする機会がなく、「その後どうされているか」や「あの時どうだっただろうか」など私たち医療者も考えております。
なので、このような貴重なお話を聞かせて頂き、とても嬉しく学びになります。
本当にありがとうございました。

貴重なお話をありがとうございました。
普段何気なく使っている言葉の「伝わる」ことのギャップがあり、もっと相手の立場に立ってかかわりができるように具体的さをもって患者さん、ご家族の方と関わっていきたいです。
今日は本当にありがとうございました。現場にフィードバックしようと思います。

今回のお話を聞いて、医療者側がかみ砕いて話しているって思えていても、ご家族は分からないことが多く、子どものことで頭がいっぱいなのに、それに加えて覚えることが多くあることを知ることができた。
医療者ではなく、ご家族の目線に立って話をすることが大切であると学びました。
今後退院・在宅支援に携わる機会があれば、“家族が置いていかれないようなカンファレンス”を心掛けていきたいです。
貴重なお話をしていただきl本当にありがとうございました。お身体無理しないでください。

貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました。
私は病棟で保育士として働いています。今回のお話を聞かせて頂き、自分と入院されているお子様、保護者の方としっかり向き合えているのかと改めて考えさせていただきまっした。
今後の保育で看護師としてではなく、保育士として自分に何ができるかを考え、活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

貴重な講演を大変ありがとうございました。
退院をあまり急がすように言われる、いつナースコールしていいか分からず・・・等、大変反省になりました。現場に持ち帰りたいと思っております。

発表ありがとうございました。
日々の看護のかかわりの一つ一つが大切なことが改めて感じました。忙しいから明日でいいかな…ではなく、この時間がとても大切なのだとおもってこれからも丁寧に患者さんに関わらせていただこうと思いました。
患者さんから教えてもらうことばかりですが、少しずつ教えてもらったことを活かせるように頑張ります。

遅れての参加になり、内容をすべて聞くことはできませんでしたが、ディスカッションでの現在の小児の看取りの実際が厳しいことを知り、小児科で看護師をしている私にとって考えることが多くありました。
また、参加させていただきます。ありがとうございました。

貴重なおはなしありがとうございました。日々、短い時間でもご家族とお話しする機会を大切に看護していきたいと思いました。