必要のない体験

2006/04/06

 2年前、「ぜひお話を聞きたく、連らくさせてもらいました」
というメールが届きました。
いのちの授業を依頼してくれる小学校の先生からです。
ご自身やお子様に闘病の経験などがないとのことで、
私の話をとてもよく聴いてくださいました。そして、
「周りの人に支えられながら目標を持って生きて行くということ、
みんなの関わり、本当に大切だなと思いました」
という言葉を贈っていただきました。
そのメールはいまも大切にフォルダーに置いています。

 つらい事のつらさというのは、
体験をして知るべきものではないと思います。
体験などしなくても、その立場の人のいたみに思いをはせることができる人は、
体験する以上の理解ができる人なのです。
なのに、どうして、M先生に病気が必要だったのでしょう。
がんだった私はその後元気になり、元気だった先生ががんに。

 昨日、お話ししていただけるようなら少しでも伺いたいとお願いしましたが、
もう会話できる状況にありませんので、とご家族から…。
きょうは、ひとりM先生を偲びました。
大切なことをたくさん教えていただいたのは私のほうです。
運命って、一体どう仕組まれているのでしょう。納得できません。