十三回忌

2010/02/27

沖縄から戻ってくると、ものすごくたくさん用事がたまっており
かたづけながら、あゆみの十三回忌を迎える。

かつて、先に子どもを失った方が「七回忌」
という言葉を口にされたとき、
果たして自分にも、そんなときが来るのだろうか?
そのとき私は、どう変化しているのだろう?と
遙か遠くを見つめる思いがした。

思えば、私にとって、七回忌は、
ある程度の落ち着きは保ちながらも
「かさぶた」のようだったと、思える。

そして、ついに十三回忌。
ここまでくると、もう
めくる「かさぶた」さえも、なく
うっすら残る傷跡が、もの悲しい
そんな気がしていた。

けれども、涙がこみ上げた。
やっぱり傷口は、もち続けているのだと、思った。

お坊さんは呼ばず、家族だけでお墓参りを、と考えていたが
思いがけず、お経を上げに来てくれた人がいた。
同じ時期に子どもを失った「仲間」だった。
涙をこらえながら、お経を上げてくれていたので
涙は、私の目から・・・。

心の傷は
あっても、もう痛くなく、むしろ
嬉しいときに、キュンとなる
と思えるようになった。

夕方、日が暮れだした頃
なんだか、すっかり終わってしまうような、切なさに沈み込む
すんでのところで
小児科学会倫理委員会から、フォーラム出演の依頼が届く。
あゆみの遺志なのか
私の、まだ終わりたくない執念なのか。

あゆみの命の軌跡を
今ふたたび、言葉に組み立ててみようと思う。