もっとわからない父の食生活

2010/05/10

ゴールデンウィークは、どこにも行かず
ひたすら会のアンケートの「しごと」に明け暮れた。
食事くらい行こうと、父が言い、
私は、しぶしぶ同行した。
父と食事に行くと、止まらないからだ。父の話が。
ほとんどが、それ3回目。それは5回目。みたいな話。

ところが、今回は
初めて聞く、あり得ないような話だった。
開いた口がふさがらない、というのはこういうことだろう。

父は、定年まで公務員をし
とにかく地味で、真面目な一生だった。
毎朝、同じ時間に、同じ道を自転車で行き、
公務員の割には(←余計?)遅くまで働いて、まっすぐ帰って来る。
何十年と、ほぼ同じ日課を全う
という印象をもっていたが、
まさか、同じものを食べ続けていたとは!

ことの発端は、焼き肉屋で、うどんを注文したことだった。
焼き肉にはご飯でしょう。と家族の誰もが思うが
父はいつも、うどんを頼む。
母が「お昼にもうどん、食べたでしょ」と言うが
父は「昼はうどんでしょう」と言う。

これをきっかけに父は
「1年以上、毎日きつねうどんを注文したら
野菜が不足しますよ、って言われてね」と振り返る。
いったい何のこと・・・?
誰も意味がわからない。

父は、職場で、きつねうどん以外のものを、
食べていなかったのだと言う。
親切な人から
「野菜がたくさん入っているお好み焼きなんかも食べたほうがいいですよ」
という助言があり
そうか!と、その次の日から、
お好み焼きの出前を頼み
頼み続けること、2年。
2年間、お好み焼き以外のものを注文していないと言う。
2年で終わったのは、退職を迎えたから。

お好み焼き、あと何年でも食べれたの?
と、念のために聞いてみると
うん!と真顔で即答。

おかしすぎるでしょう。
もしかしたら、父は、私が思っていたよりも、
オモシロイ奴だったのかもしれない。

私はおなか抱えて大笑いしたが
ダンナは、マスオさんとして、どの程度まで笑っていいものか
加減しながらも、抑えきれない様子だった。