気になる「お母さんに会いたい」きもち

2010/10/03

前回、少し触れた
兄が突然連れて来た1才の女の子、つまり姪と
きょう食事に出かけた。
世間では、もうすっかり大人と見なされるが
私には、とてもそうは思えない。
今年から病院で働くようになり
先生と呼ばれてる、なんて聞くと
よその人の話みたいに聞こえる。

なにげなく、聞いてみた。
「お母さんに会いたい?」

「別に・・・」

「そうなんやあ。
前は、会いたいって言ったこと、あるよ」

「そんなときも、あったかなー
みんなには、お母さんいるのに
私だけ、いないことに気づいた頃は、ね」

「そうなんやあ」
話はそれより先に、進まなかったが
母から聞いたことがある。
この子、小さい頃、
ときどき、かわったポーズで、願い事をしているようなので
「なにお願いしてるの?」って尋ねたら
言わなかったらしい。
「教えてよー」と促したら
「言ってもいい・・・?」と確かめるようにして
「いつか、お母さんに会えますよーに」だったと。

私が気にかかったのは
「言ってもいい?」の前置きだった。
言ってはいけないことのように、感じる場面が
祖父母や私と暮すなかで、あったのかもしれない。

思ってることは、何でも言っていい
という空気では、なかったと思える。
母も、私も、実の母に届くわけがないことを
常におびえているようなところが、あった。

1つだけ、悔やまずにいられることは
「あんたのお母さんは、いいお母さんだったよ。
赤ちゃんのとき、いっしょうけんめい育ててくれてた」
ということを、「おびえ」に負けず
隠さずに話しておいたこと。