ぼく、目だけは、弱いんですー

2011/08/26

ダイキが赤ちゃんのころから
私は、彼の左目の視線がおかしいと感じていた。
身内は、おかしくなんかないよ、気にしすぎだよ、と言い
身近な人ほど「そうであってほしい」方向に考えるものと思った。

2才で、眼科に連れて行くと、泣き叫び、
検査できないと、帰された。
3才でも、無理で、
4才くらいで、別の眼科に連れて行くと
暴れて、向かい合う先生を蹴ってしまったため
怒って帰された。

ダイキは、我慢づよく、聞き分けがいいほうで
注射するときには、自分から腕を差しだし
涙いっぱいためて、「ぼく、泣かない」とか言っていた。

なのに、眼科だけ、暴れて大騒ぎになってしまう・・・
もう、うんと大きくなってからにしようと思い
ようやくこの夏休み、手術にこぎつけた。

手術の間、病棟のエレベーター前のベンチで待つことに。
夫も仕事を抜けて駆けつけてきた。
並んで座り
無言のうちに、おそらく同じ事を考えていた。

   あゆみのときも こんなふうに待ったなあ
   でも あのときは 生きるか死ぬかだった
   今回の入院は そんな大したことじゃないし
   こんな気楽な立場に 今いることが ふしぎ

車いすに乗せてもらって、ダイキが病棟に帰ってきた。
うつむいたまま、顔を見せてくれない。
病室に入ると、ベッドに転がり込み、
背中を向けてしまう。
ご飯も食べない。

あとで聞くと、
痛さと、怖さが、すごかったらしい。
麻酔をしても痛い手術と聞いていたが、
どうやらダイキは、目を触られることに、異常に緊張するらしく
疲労困ぱいで耐えた模様。

ああ、だから・・・ と、
今頃になって納得できたけれど、
小さい頃、診察を受けさせるために、私は
押さえこみ、恐ろしくにらみつけ、ひどい脅し文句なんかも言った覚えが・・
「言うこと聞かなかったら、目が見えなくなるよ!」
くらい言ってても、おかしくない。

何度もひどい目に合わせて、ごめんよ〜