犬は人の言葉が分かるのでしょうか

2012/12/25

ずっと知りたいことがあった。
それは、犬を飼うことの良さ。

子どもを亡くした家庭では
子どもの死後にペットを飼い始めることに対し
大きく3つの方向性があるように思われる。

その1つ目は、
子どもに替る存在はないのだから
新たにペットを飼って、気を紛らそうなど、思わないし
紛らせられるわけがない。
2つ目は
子どもに替る存在はないのだけれど
少しでも和ませてくれるようなペットを飼いたい。
がしかし、生きものの死に、また直面することを考えると
耐えられそうになく、飼いたいけれども飼わない。
3つめは、
子どもに替る存在は、もちろんないのだけれど、
ペットを飼った。そしたら、
新しい家族となり、とても癒してくれている。

わが家では、何度も犬の話題が出たのだけれど
主に2番目の理由により、見送ってきた。
私の留守も多かったし。
けれど、母の認知症が進んでから
また犬を真剣に考えるようになった。

母と友だちになってくれるような動物
というと、やっぱり犬なんじゃないか。
犬は賢いらしいし、人間が好きらしいから。
そんなことを話し合っていた、その日

私は、会議があって夕方から出かけた。
快速電車の車内は、ラッシュ時で混み合っていたが
なぜか空洞のようになっている場所がある。
近づいて見ると、
床に盲導犬。
ご主人は、対面式シートの通路側に座っていた。

いろんなことが頭を巡る。
ご主人は、あの席をどのように確保したのだろう。
あの犬が、空いている場所を知らせたのだろうか。
そこまでのこと、するのだろうか。

また、もし列車が大きく揺れて、
誰かが盲導犬の足を踏んでしまったら
あのようにおとなしそうに見える犬でも
怒るのだろうか? それとも我慢するのだろうか・・
革靴で踏みつけられて、我慢している犬の姿が過ぎり
涙が出そうになった。

そうこうするうちに
「間もなく 大阪駅に到着します」
というアナウンスが入った。
とそのとき
盲導犬がすくっと立ち上がった。
続いて、ご主人も席を立つ
えっ?人の言葉がわかるの!

私、びっくりして、感動して
さっき出そうになっていた涙が、こぼれ落ちてしまい
満員電車の中だから、急いで拭いた。
かしこくて、けなげで、
犬、飼いたくって仕方ない。

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