あゆみの歯形を遺したテーブル

2013/04/18

父の退院が決まった。
普通に歩行できるまでに回復したわけではないので、
家の中で歩行器が使えるよう、まずは片付け!

1階のキッチンには、6人掛けのでっかいテーブルがあり
通路が狭いため
小さいものに買い換えることに。

買い取り業者に問い合わせると、
買い取りどころか、廃棄手数料を求められる始末・・
高かったのに。

馬鹿らしいと思う。
そうだ!
わが家のテーブルと、下(親宅)のテーブルを入れ替えれば良い
と思ったところが、
ダンナが首を縦に振らないのだ。

わが家のテーブルには
あゆみちゃんの「歯形」が薄っすらとある。
歯固めに、テーブルに噛みつくほど、あの子は逞しかった・・
ダンナにしたら、手放せない「かけがえのない」家具。

「あげるんじゃないよ、貸すだけだよ」
と説得にかかるが、
その歯形、経年によって消えかけている・・
いっとき貸すのも、躊躇される模様。

ダンナの辛そうな表情を見て、
うん。わかった。
ケチなこと言うのはやめよう。
父さんは、毎日、このテーブルでごはんを食べたいんだよね。

廃棄料を払って引き取ってもらうことにした。
慣れ親しんだ家具が家を出て行く時
何とも言えない気持ちになる。
これも、ちょっとしたグリーフ(喪失感)。

  ごめんね 
  まだ十分に活躍してもらえるのに
  居てもらえなくなって

みたいなこと思いながら、見送った。