誰も知らないいい子

2015/09/11

母と父の、喪主を務めてから
跡取りとは、こんなに大変なのかと思いながら
相次いで一周忌を終えた。

途中、言っても仕方のない後悔ばかり押し寄せ
さらには、ひねくれた性格が何度も顔をのぞかせ
そういう時こそ、日記を書けばいいのだろうけど
いつも読みに行っている、同じように子どもを亡くした人の日記に
思いのたけを書けばコメント欄にボロクソ書かれるのを目にし
おーこわ、と何も書けなくなった。

体調もよろしくなく、
筋向いの少年の、バイクの爆音に悩まされてきたが
今週、すごく嬉しいことがあった。

その少年のことは、警察に通報している人が何人かいるようで、
それでも、あまり効果がなく
家族も放任のようで
私も警察に相談?
それとも、郵便受けにお願いの手紙を入れる?無記名で?
と、いろいろ考えても行動に移せず
睡眠不足で体力を消耗していった。

そして、決めた。
少年がバイクで戻ってきたとき
駆け寄って、「あのーお願いがあるんやけど」と
体調の不調を話すと
黙ってうなずいてくれた。

え?それは何のうなずき?と思ったが、なんと!
その日から、エンジンをかけずに、押して行ってくれることに。

いま一番感謝していることは
彼が、重たいバイクを押して家の前を通り過ぎてくれていること。
こんど、何かおいしい物、持って行こう。
警察になど、電話しなくてよかったー