入院患者それぞれのお正月

2017/01/05

入院中の姑の病院から、そろそろ退院を、と促され
八方ふさがりのわが家。

年末年始に、自宅に戻ってみたが
いつこけるかと、ずっと見ていないと、危なくて
これでは独り暮らしは無理。
でも行く先はなく…

歩き始めの子供も、いつこけるか危なっかしいいけど
こけても平気だし、ケガもしないし
そういう時期はいっときで
でも高齢者は、終わりがなく、さほど回復もなく…

外泊するため、病室を離れるとき
向いのベッドの人は「いいお正月を」
と見送ってくれた。

年が明け、病室に戻ったとき、その人に
家に帰らなかったのか?と尋ねると
「わたしは帰れないの」と教えてくれた。

姑と同じように、こけて、入院中のこの女性は
一人息子さんが、突然、病気で亡くなり
お嫁さんは悲しみに暮れ
そういう状況が、もう何年も続いているのだそう。

迎えに来れないお嫁さんを、責めることなく
「つらいのは私も同じ。わかるから」と
理解を示しているこの姑さん
えらい人だと思った。