会報 No.52
2004/11/30こころの扉(会報52号)
平成16年12月
発行 小さないのち
ガイドライン作成のためのアンケート
中間報告−1
解答用紙は140人の方に発送し70人にご返送いただきました。
中間報告−1
解答用紙は140人の方に発送し70人にご返送いただきました。
1. 病院前救急について
1−1)脳症など命に関る疾患の特徴に対する隊員の知識について
必要―62 不必要―0 その他―1 無記入―7
「必要」の自由記述欄
- とても大切なことだと思う 一般人に知識がないぶん早く気づいて対応してほしい
- 必ず対応できる病院を選ぶために、重篤な疾患の特徴を把握しておいてほしい
- 通報の時点で緊急性を察知し、迅速な搬送を心がけてほしい
- 冷静な行動は重要であるが、重症に対して緊急さが感じられずもどかしく思えた
- 開口一番「お母さんしっかりして 痙攣くらいで呼ばれてもね」10年忘れられない
- 熱性痙攣と思いんで処置にあたる 受け入れ先なかなか見つからず出発遅れる
- 熱性痙攣とみなし何もしてくれなかった 何かできることをしてほしかった
- 痙攣=熱性ではない 意識ない=寝ているのではない 母親の直感を信じてほしい
- イ脳症は容態が急激に変わるので、あらゆる可能性を考えて対応にあたってほしい
- 後になりことの重大さを知る せめて隊員にはいろんな可能性を知っておいてほしい
- 運び届けるだけが仕事でなく、各隊員に知識あればより適切な対応が可能でないか?
- ある程度の知識をもってもらえると、対応の仕方が違うと思える
- 幅広い知識で症状を読み取り的確に対応してほしい 思い込みがないか考えてほしい
- 既に硬直し板のように子どもが硬くおかしい 隊員も異常に気づきそうなもの
- 何度か救急車に乗る 隊員が病名(先天性)を知らない 知っていれば安心できたが
- こと子どもに関しては体力がなく急変しやすい為とくに注意深く対応してほしい
- 三次救急に行っていたら亡くなる前に脳症の発症がわかったかもしれないと思える
- 家に来てから病院を探したり、クーラーががんがん、必要な声かけさえなかった
- 今(10年後)でも隊員の態度が脳裏に浮かぶことがある サイレンの音でグッとなる
- 隊員が子どもに優しく接してくれた 声をかけ撫でてくれ 病院への連絡も的確
- 隊員の知識あったと感じる
1−2)重症児の家族への隊員の精神的サポート
必要―54 不必要―1 その他―8 無記入―7
「必要」の自由記述欄
- 最善の病院へ最速で搬送する姿勢を見せ安心させてほしい 励ましの言葉より
- 1秒でも早く連れて行ってもらうことが一番だが、家族を落ち着かせることは必要
- 理想として配慮は必要だが、緊急性が高いほど人数的にも難しいと思う
- いま子どもはどういう状態で、どうすることが必要なのか教えてほしかった
- 急なことであればある程パニックになってしまうので、とても大事だと思う
- 子どもの名前を呼び続け、「もっとスピード上げて!」と怒鳴り散らした記憶が
- こんなことで呼んでといういう態度だった パニックの親を安心させてほしい
- 親はものすごく不安 隊員の言葉かけ一つで気持も変わると思う
- 親は命の不安で一杯 親への配慮と安心できる一言でもあれば落ち着くと思う
- 大切だと思う 適切な言葉かけ一つで気持は変わると思う
- 短い時間だが心配りがあれば落ち着いた気持を持てると思う
- 思いやりのある言葉をかけてもらえると助かる
- 何気ない言動にも傷つくので、自分の子なら家族ならという思いで接してほしい
- 親身になってくれていることがわかる態度と、不安を与えない態度が一番大切
- 隊員に荷が重ければ、対応できる専門家を育成し同乗させてほしい
- すでに亡くなっていたが、親の精神面に配慮し、無駄を承知で搬送してくれた
- 救急車より先に父親は車で出るよう勧められ、道順も詳しく教えてもらえ助かった
- 次の動作の前に「お母さん、次は〜します」と声をかけてもらえて安心できた。
- 推測で「〜が悪かったのかも」と言われたことがずっとひっかかっている
- 隊員が手間取っているのが気になった
「その他」の自由記述欄
- 重症と知らなかったので、あまりに大丈夫ですよ!と言われたら不安を増したかも
- 精神面よりも、一秒でも早く病院を確保して搬送するという行動のほうを望む
- サポートあるに越したことないが搬送が先 しかるべき対応は病院であればいい
- 「お母さん大丈夫ですよ」と何度も声をかけてもらった が、不安は不安だった
「不必要」の自由記述欄
- 「しっかり気持をもって」など言葉かけより、早く病院で医師からの答が聞きたい
2. 心停止後の搬送について
2−1)死亡診断のあとの抱く機会
必要―63 不必要―0 その他―3 無記入―4
「必要」の自由記述欄
- 絶対に必要
- 希望する家族には必ず実施してほしい
- 希望する場合は認めてほしい
- 思いっきり抱かせてあげてほしい
- 許される限りだいていてあげたい
- 次に会えたのは霊安室だった せめて解剖の前にもう一度抱いてやりたかった
- 抱かせてもらえなかった いつも抱っこしている子がどうなったのか知りたかった
- 本当の最後になるので後悔ないよう 抱いたまま帰れ希望が聞いてもらえるシステムに
- 自分の子が抱けないなど考えられない 子どもも抱きしめられることを望んでいるはず
- わが子に触っていけない場合など、いかなる条件下でもあって良いわけないと信じる
- 親は一秒でも子どもから離れたくない 少しでも温かいうちに抱く機会を作ってほしい
- 抱くことが子どもの死を受け入れるための助けとなるのではないかと思う
- 難しい 現実を飲み込めずに震えて泣いていた自分を思い出す
- 抱く機会を与えられることで事務的に扱われているわけではないと受け取れる
- 先生自ら言ってくれたので抱くことができた
- 取り乱す夫のためにしばらくそっとしてくれた
- 検証後に抱いて帰れた 娘が硬くなるのが辛かったがもう抱けなくなるからよかった
「その他」の自由記述欄
- ずっと抱いていたかった
2−2)担当医による後日の詳しい説明
必要―65 不必要―0 その他―2 無記入―3
「必要」の自由記述欄
- 家族が希望する限り後日詳しく必要だと思う
- 希望するか否かを確認したうえで、希望者には必ず実行してほしい
- 最後にそばについてくれた先生から直接いろいろと話を聞きたい
- 入院が短い場合などは後日の丁寧な説明で万全が尽くされたことが分かると思う
- 後日もいいと思う 当日受けたがなぜか冷静だった 正直叫んだりわめいたりしたかった
- 死亡した日には動揺して十分聞けなかったので、後日詳しく聞きたかった
- 何が起こったのかパニックになっているので、後日ゆっくり時間を作ってほしい
- 当日はとにかく早く連れて帰りたかったので、冷静に聞けず、質問もできない
- インフルエンザ脳症という病気を知らなかった為、亡くなったわけが分からなかった
- 初めて聞く病名 解剖したが原因は分からず 結果を聞くまで半年待たされ長かった
- 辛くても納得のいく説明は必要
- 本当に必要 疑問が頭で混乱している こちらからでなく病院側から機会をもってほしい
- わが子の死因が何だったのか、何が起こったのかきちんと知りたい。
- 分からないままでなくした後を過ごすのは、かえって立ち直りを遅らせてしまうと思う
- 遺族が説明を聞ける状況になったときに必要
- 直後は混乱しているので、担当医が日を決めず、聞きたいと思ったときに受けたい
- こちらの希望で後日詳しく受けられた 子どもの死を理解するために絶対必要
- 救急ではその場にいることだけで精一杯 後日、つらい作業であるが親にとって必要と思う
- 後日もう一度聞くことにより、自分のなかで変化するものがあると思う
- 子どものためにと思う時がきて聞きに行けた 先生が覚えていてくれ心が少し楽になった
- 後日の説明があるとないでは、のちの遺族の気持に大きな差がでると思う。
- 2回位必要か 一回では把握できない記憶できない 質問には時間の経過が必要
- 口で言われても記憶はあやふやな為、処置や状況を書いたものがほしかった
- 「落ち着かれたらご夫婦で そこまでするのが自分たちの仕事です」―感動した言葉
- 受けたが聞くだけで終わり、どのように尋ねたらよいか分からず、質問できず心残り
- 現在(5年)でも説明を聞きたいとずっと思っている
- 今も(8年)なぜ亡くなったか分からなくなる 親は納得いくまで説明を願っていいと思う
- まったくなかった
「その他」の自由記述
- 義務として行ってほしい 仕事の一環と考えてほしい
- そのときの状況によると思う 死因(理解)がはっきりしていれば必要ないのでは?
3. 搬送直後〜処置中について
3−1)希望する親への入室・立会いの機会
必要―60 不必要−2 その他―5 無記入―3
「必要」の自由記述
- 立ち会うことができるということに大きな意味がある 医師看護師の懸命な姿を見ることも
- 見ていることが辛いだろうと考え退室するよう言われるが、希望者には認めてほしい
- 引き離されてからまともにいれなかった やっと会えたときの姿にショックが大きかった
- 今何をされているのかすごく不安だった 時間が長くかかり居ても経ってもいられなかった
- 絶対に必要 かなり動揺した為退室させられた 医師が来るまで一人にさせたことを後悔
- たとえ辛くても知りたい 小さい子ゆえ一人で治療室にいるのは可愛そうでならない
- パニックになって追い出されたが、生きているのか死んだのか分からず待つのは辛らかった
- 長時間いま子どもがどうなのか、処置の内容など分からなければ不安が強くなる
- 本人がきっといてほしいと思うせめてそばにいて、できれば手を握ったり声をかけたり
- 意識あった頃「怖いそばにいて」と言われていたが、外で待たされ中も見えず不安だった
- そばで声をかけ続けると子どもに届くと思う 少しでも子どもを助けてあげたい
- 「お母さんは出て行って!」と叫ばれたが、イヤですと無理やりその場に残った
- 室外での待機時間がたまらなかった
- 室外に出されモニター音だけを聞くのはつらかった そばについていてあげたかった
- 外のイスで何時間も待たされた 起こっている事が分からず不安な中を変ではないか?
- 治療の妨げになる人以外立会いさせるべき 親としては一時も離れたくない
- いま何が起こっているのか知らされることで、不安のなかでも現実と向き合える
- 妨げでなければ許可してほしい CT,MRIと検査重ねるごとにみるみる弱ってしまった
- 髄液採取で「痛い」と言ったのが最後の言葉と医師から聞いた 付いていてやりたかった
- 入院手続き等で離れることになったが、入院したら大丈夫と思っていた
- 脳死と言われ、お乳を飲ませ声をかけ続けたら意識が戻るものかと思った
- 子どもの異常はいつも見ている親が一番分かると思う 親が訴える異常を聞いてほしかった
- 退室を促されることなかった 懸命な処置を見て医師に感謝 不満や疑問を持たず済んだ
- 私の場合は24時間ICUで付き添えた
「不必要」の自由記述
- 子どもの置かれている現実を直視できずショックを受けると思う
- つらくなると思う 見ていられないと思う
「その他」の自由記述
- 不安で自分の目で確かめたい気持はあるが、とりあえず医療者に集中してもらうほうがいい
- 手を握っていたい気持はあるが、正直わからない
「無記入」の自由記述
- わからない ずっと救急現場で働いている たとえ希望しても見なくていい姿があると思う
3−2)家族側につく医療スタッフ(援助者)
必要―62 不必要―0 その他―6 無記入―2
「必要」の自由記述
- これが一番だいじ
- 精神的なサポートが不可欠
- 不安一杯でただ夫婦二人ぽつんと立っているだけ 傍で少しフォローしてくれる人がいれば
- 何がなんだか分からない状態なので、すぐ隣に援助者がいて精神的援助や配慮を受けたい
- 黙って背中をさすってくれるだけでいい 倒れてしまいそうな自分に必要だった
- そばにいてささいなことなど受け止めてくれることは家族の精神的安定につながる
- 短時間で重体に陥った場合、親の心を少しでもケアしてもらいたい
- パニックになっているので、その手助けをしてくれる人がいてほしい
- パニックになってるので、医療の立場で家族も助けてほしい
- 混乱してよく分からないことが多いので、そばにいてくれるだけで心強い
- どうしてこんなことになったのか分からなかったので、そばで精神的な支えが必要
- 中立な立場ではなく、家族よりに立てるスタッフが必要
- 交代制で短時間では信頼を築けない 同じスタッフが来てくれたらどんなに心強いか
- いてくれたら心強い中に入れずずっと待たされたまま何の説明もなく不安だったので
- 何を伝えるべきかもわからないほど混乱してるので後悔のないようサポートが必要
- 突然わけの分からない世界に放り込まれ、次々と決断を迫られる 後悔しないためにも必要
- 直後は家族のみがいいかもしれないが、時間を追って援助者があるといい
- 何が起きているのか、どういう状態なのかも知りたい
- 待つ間子どもが見えないというのはとても不安 中の様子を教えてくれる人がいれば
- そういった人を配すのは難しいとは思うが、聞きたいこと不安なことが常に多々あるので
- 家族の配慮できるスタッフがいるほうがいいが、実際救急では人員的な余裕がないと思う
- 必要だが、人手が足りなければ患者が最優先で家族は後回しでいい
- 大変望ましいが、緊急性が高いと人数的にも、精神的余力がないのも現実だろう
- 希望するがスタッフの体制による 空いている部屋を「使ってください」とありがたかった
- 看「○○ちゃんも私たちも頑張ってるから。先生もあきらめたりしないから」。勇気付けられた
- とてもいい人が付いてくれた 看護記録もとても細かくつけられていてうれしかった
- いつも同じ先生、看護師が見てくれることと、声かけてくれることがありがたかった
- 処置室の外でそばに座って話を聴き手を握ってくれていたことが支えに 今も感謝している
- 到着後その場に座り込んだ 看護師が一人付いて支えてくれ、中の様子も伝えてくれた
「その他」の自由記述
- 私はあまり慰め(?)みたいな言葉はかけてほしくなかったので
- 一概に必要とは言えない ただの励ましなら不要 心情を察し言葉を選べる人が望まれる
- グリーフケアに熟知したスタッフであれば必要
- よく分からない
3−3)援助者による説明の補足
必要―59 不必要―1 その他―7 無記入―3
「必要」の自由記述
- あったらいいと思う
- 1回も説明なく、入室後も詳しい説明はなかった 心臓マッサージ2回も知らなかった
- 大変望ましい 動転している親にとってあれこれ聞きたいことが出てくることも多い
- 処置に立ち会えない場合や担当医の説明が分かりにくいときなど補足してくれたら安心
- 初めて行く病院では家族の希望に応じて補足が必要
- 子どもにどういう目的でどういう処置をしているのか分かりやすく説明がほしい
- 分からないことばかりだから、分かりやすく説明してほしい
- 何も分からないままでいたくない
- どうなっているのか分かるように症状の説明をきちんとしてほしい
- 説明は理解できているとは限らないので、必要
- 医師だけでは限られた時間で、あとから「あれも聞いておくべきだった」となるから
- 医師の説明は声は聞こえても内容までわからなかった 誰か分かりやすく説明してほしい
- 忙しい医師看護師には十分聞けなかった 書面や知識を駆使して援助者がカバーするといい
- 医師看護師は忙しそうで聞くことができない状態だった 説明してくれる人がいると心強い
- より理解しやすく説明してもらったり、精神的苦痛を察してもらえたら、不安が軽くなる
- 何がなんだか分からない状況なので、説明をしながら精神的面でも援助や配慮がほしい
- 警察が絡むときなどは、事実関係をはっきり説明してほしい
- 亡くなった病院に半日しかいなかったが、処置中も2時間おきに説明があった
- 腰のあたりを支えられていた 痙攣が止まったか何度も確認しに行きその都度説明あった
「その他」の自由記述
- よくわからない
- 病気に関する説明は医師からだけに統一してくれたほうが、迷わず情報の混乱も避けられる。
- 私は担当医か直接関っている医師の説明しか聞く気になれなかった
3−4)症状の経過をリアルタイムに知ること
必要―63 不必要―0 その他―4 無記入―3
「必要」の自由記述
- 結果は変わらなくても知る安心感や、知らせてもらうことで信頼ができる
- 要所要所で伝わってくることが必ず必要と思う
- 事後報告でなくリアルタイムが大切 知る権利があり知らせる義務があると思う
- とても残酷なプロセスだが突然死を宣告されるよりまだいい 覚悟のようなものができる
- いまなにが起こっているのか知ることで、親の心の状態が現実と向き合える
- とても辛いことだが親の責任だと思う 親の性格を考えた上でスタッフの判断で行えばいい
- 搬送後5〜6時間入室はもちろん経過を教えてくれる人もない とても不安で拷問だった
- あとでカルテをもらって子どもの大変だったことを知った その場で知ってあげたかった
- 不安な気持に対する助けがほしい
「その他」の自由記述
- ある程度必要なのでは?
- 私は聞きたかったが、精神力に個人差が 寝込んでしまう親には時間を追っての説明では?
つづきは次号に掲載します。提出は締め切っていませんのでどうぞお送りください。
追加意見も歓迎です。多くの方がとても詳しく、紙を足してまで書いてくださいました。
添えていただいたお手紙もしっかり拝見しております。本当にありがとうございます。
ご質問には、お答えできるものに少しずつお返事していきますので暫くお待ちください。
平成16年12月 発行 小さないのち