第3回 こどもの死とグリーフケアについて考える交流講座
2016/10/24子どもの看取りや家族へのグリーフケアの充実を目的とする講座です。
子どもの重病の、最初から最期までを経験した保護者だからお伝えできることがあると考えました。テーマを変化させながら発展的に隔月で実施しています。
ぜひお越しくださいませ。
第3回 「生命の限界を迎え わが子との別れ」
内容
グリーフケアを遺族ケアと考える医療従事者が少なくありませんが、遺族ケアでも看取りのケアでもないと小児の家族の多くが考えています。それらはグリーフケアの一部と言えるでしょう。そこで、「当事者にとってのグリーフケア」になりうる医療についてここまで段階的に検討してきました。
第3回は、発表者AさんとBさんの最終回です。「深刻な告知のあり方」、「治療の難しい選択をどう支えるか」、「過酷な闘病にいかに寄り添うか」に続く看取り前後の場面です。
そのとき家族が置かれる状況や必要とすることを、実際に経験した配慮内容を含めてお伝えし、質問にお答えします。
発表者 「小さないのち」の会員有志
Aさん 先天性心疾患でお子さん(0才)を亡くされたお母さん
Bさん 急性骨髄性白血病でお子さん(1才)を亡くされたお母さん
対象者 医療従事者、こころのケアの専門職
日時 2016年11月23日(勤労感謝の日)10:45〜13:00予定 開場10:30
場所 関西学院大学梅田キャンバス 1406室 茶屋町アプローズタワー14階
募集 40人(要予約)
参加費 「小さないのち(子どもを亡くした家族の会)」の運営への支援として
一口500円の寄付を3口(1500円)以上でお願いいたします。
申し込み・問い合わせ 会代表 坂下 裕子
【発表の骨子】
発表1
突然のわが子との別れ。私は受け入れることができませんでした。話すこともできないわが子は思いを伝えることができません。母親としてわが子がどのような思いでいると感じるのか、そして母親としてどのような思があるのか看護師長に伝えました。医師や看護師は、その思いを可能な限りかなえてくれました。今でもその時に受けた医療・看護にも支えられています。その後、仕事への復帰、患者会への参加、同じ経験を持つ方との出会いなどが、抱えて生きていくには辛すぎる出来事を少しずつ少しずつ抱えやすくしてくれ、今はわが子と共に生きていると感じます。
第3回交流講座では、わが子との別れから、現在に至るまでのお話をしたいと思います。
発表2
6ヶ月に及ぶ闘病生活の最後は、病状の急変によるICUでの看取りでした。息子は死の直前まで積極的な治療を施されました。そのため私は側にいてあげることができず、息子を一人で頑張らせてしまいました。息をひきとってからも息子は私のもとにはいませんでした。そして息子と再会したのは病院の霊安室でした。一刻を争うなかでの医師の判断、そして親への真摯な説明に感謝しています。けれど看取り後の対応は親への相談はなく淡々と進んでいきました。このことは私のグリーフへの踏みだしが遅れたことに大きく影響を与えました。家族は看取り後も闘いが続きます。わが子の死を受け入れる作業は大きな困難でした。納得のいくかたちで病院を去ることができていれば、もう少し踏みだしが早かったのではと思うことがあります。第3回交流講座では急変、看取り、わが子の死の受容過程についてお話しさせて頂きたいと思います。
前回コメント用紙に書かれていた質問にも、この日回答させていただきます。
主催 こども遺族の会「小さないのち」