第4回 こども死とグリーフケアについて考える交流講座

2016/12/20

子どもの看取りや家族へのグリーフケアの充実を目的とする講座です。
子どもの重病の、最初から最期までを経験した保護者だからお伝えできることがあると考えました。テーマを変化させながら発展的に隔月で実施しています。
ぜひお越しくださいませ。

第4回 「迫られる決断と永遠の葛藤」

内容
グリーフケアを遺族ケアと考える医療従事者が少なくありませんが、遺族ケアでも看取りのケアでもないと小児の家族の多くが考えています。それらはグリーフケアの一部と言えるでしょう。そこで「当事者にとってのグリーフケア」になりうる医療について検討します。
第4回では、誕生から看取りまでの道のりを1回で完結します。そのときどきの心情、必要としたこと、実際に得られた配慮内容をお伝えしたうえで、ご質問にお答えしたいと思います。

発表者 「小さないのち」の会員有志

対象者 医療従事者、こころのケアの専門職

日時 2017年1月22日(日)10:45〜13:00 開場10:30
場所 関西学院大学梅田キャンバス 1005室  茶屋町アプローズタワー10階
募集 40人

参加費 「小さないのち(子どもを亡くした家族の会)」の運営への支援として
一口500円の寄付を3口(1500円)以上でお願いいたします。

申し込み・問い合わせ 会代表 坂下 裕子

【発表の骨子】
娘がおなかにいる頃は、初めての出産を不安と期待の中で迎える、ごく普通の母親でした。
誕生した娘は心臓の状態がよくなくて、生後2日目にNICUに緊急搬送となりました。
娘が健康体で生まれていたら、おそらく知ることもなかっただろう新生児緊急医療の世界。時折TVで観ていたものの、自分たちがお世話になるとは想像すらしていませんでした。
娘の心臓手術は非常に難度の高いもので、でも手術をして治るなら娘のためにどんな苦労も厭わない・・。そう思っていた私たち夫婦を待っていたのが染色体検査の結果でした。娘には染色体の異常があり、合併症として起こっている症状は非常に重篤である・・と、私たちは主治医より告知を受けました。
その瞬間から、私は、子どもを持つ他の友人たちとは違う世界へ放りこまれてしまいました。自分の声とは思えないような悲鳴をあげて、取り乱して、泣きました。
誕生の喜びから一転、祈りの毎日に変わり、精神的にもぎりぎりのところにいる私たちのような家族を、医療スタッフの方々は、精一杯、支えてくださいました。
心臓手術を含めて積極的治療をするかどうか・・。主治医は私たち夫婦に決断を委ねてくれました。ありがたいと思う半面、今までの人生でこんなに大きな決断を委ねられたことがなく、私たちは、混乱と、絶望と、悲しみの渦に巻き込まれました
娘の看取りによって生じてしまった葛藤は、私たち夫婦を立ちゆかなくさせてしまうほどの苦しみをもたらしました。その葛藤とどう折り合いをつけるのか、思い悩み、永遠に続くものだと半分諦観したような心持ちで、今は、全部抱えてあれからを生きています。
娘と私たち夫婦の経験が、医療スタッフの方々に少しでもお役にたてば・・と、祈るような思いで、今回、お話をさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

★コメント用紙に書かれていた質問には前回の発表者が回答させていただきます。

主催 こども遺族の会「小さないのち」