医療技術短期大学
2004/09/022004年8月30日
「いのちの大切さ」
というテーマの講義に講師として招いていただきました。
3時間も当てていただいたので、退院後の患者家族の状況についてもたくさんのお話しができたのですが、最後に、「命」「いのち」という文字それぞれから何を感じますか? と皆さんに尋ね、参加型学習の時間を設けました。
命に直接触れる方たちなので、漢字のほうはさらりと流し、「いのち」について感じる一言を小さな紙に書いていただきました。
“感情” “性格”を表す言葉は多く出ることを予想し、私が先に黒板に書いて外しておきます。
結果、1枚手にするごとに、若いのにさすがだーと感激する言葉が挙がり、どんどん私のテンションは上がっていきました。
「いのち」ってなんだろう?
- その人やその周囲の人をも包むもの
- 温かさや絆を感じるもの その人(患者さん本人)と家族との絆、医療従事者との絆、心と身体の絆、その人と外への絆、その人の中での絆もあると思う
- かけがえのないもの つながりあっているもの(家族と、友人と、自分自身と)
- 存在
- その人本人だけでなく、周囲の人が感じるその人の存在や存在感
- 生きている生きていないに関係なく、人の心の中に存在しているもの
- いとおしくやさしいもの
- 守りたいもの
- 生命に輝きをもったもの いとおしさを伴うもの
- 人生 思い 魂 願い 心 祈り まごころ 悠久
- 広い意味で宗教的で、神という存在を強く感じる
- その人のすべて 一生追い求めるもの 魂 命を宿した瞬間から永遠に燃え続けるもの 無限の可能性をもつもの 周りの人の心に残るもの 心に残ることで存在しうるもの いのちが尽きることには意味があり、それが終わりではない
- 動物、物のそのものの生命を作り上げているもの 生と死両方を含むもの 死後にも残っているもの
- 心 その人の人間性を形成する やわらかく温かい感じ
- こわれやすいもの 人間・動物・植物・宝物
- 温もりのある、でもとてもはかないもの
- 血のかよったあたたかみのあるもの エネルギーにあふれているもの 周りにすごい影響を与えているもの
- 「命」より温かみのある感じがする
- 喜びと悲しみを生むもの
- その人の周りを囲んでいるやわらかいもの、存在 本当の意味で「その人」を構成しているもの 他人と共有し合ったり傷つけ合うもの 目に見えないけれど大切なもの
- 「命」だと生命か、そのものという感じ。「いのち」は質を伴ったその人の人生のような感じがする。
- 人生そのもの
- あたたかく生きる力を感じるもの たった一人の存在として愛情を注がれているもの
- 大切なもの 貴重なもの 一つしかないもの
- あたたかさ 形だけにとらわれないもの 生きている 死について考えさせられるもの
- 命があってもいのちがなければ意味がなく、いのちがあっても命がなければ意味がない、両方大切なもの
- 生きているものの源
- 希望 光
- 愛しているもの 愛されているもの 人の心や感情を強く動かすもの
- かけがえのないもの 尊いもの とても大切なもの
翌日メールで追加意見をくださった方が、とても分かりやすく表現してくださったので加えておきます。
「命」
黒板に書かれたこの文字を見て、「失われてしまうもの」と感じました。私たちは通常、無意識に「生きている」と思います。
誰かの死に直面したとき、生命が脅かされたとき、この「命」を感じるような気がしました。
「いのち」
ある開業助産師さんは、赤ちゃんが誕生したときオーラのようなものが見えると言います。私は、そのオーラのようなものが「いのち」ではないかと感じました。
そのオーラは誕生の瞬間にしか、目には見えないかもしれません。しかし、ヒトの心にはオーラのように残っていくのかなぁ・・・と。