三重大学医学部 三重に集まれ!

2004/08/18

2004年6月26日

三重大学医学部で行われた「三重に集まれ!」という学生主催の勉強会でお話しさせていただきました。この大学に行ったのは2度目です。

きょう写真と感想文が届き、うれしい内容なので、許可をいただきここで一部を紹介したいと思います。

 

≪感想文≫

  • 私たちに「よい医療とは」を、心を砕いて話してくださり、今後の力強いエールになりました。
    感情論に終始されることなく、改善点や今後の展望、過去の反省点についての話をお聴きできて本当に良かったです。(看護4年)
  • 大変興味深いお話をありがとうございました。一番印象に残ったことは、小さな子どもを亡くした親たちが立ち直るのに、子どもを糧にがんばるということでした。
    子どもを亡くすというとても大きなアクシデントから立ち直ろうとがんばれる人間の強さに感激しました。
    また子どもを糧に(子どものために)がんばろうとすることは、本当に辛くしんどいことだと思うのに、すごいなと思います。(看護3年)
  • 死を看取るということは、医療者にとっては日常となることもありますが、家族の方にとっては非日常です。
    このことを意識しないといけないと思いますが、医療者は仕事として業務をこなすし、慣れてしまうこともあると思います。
    自分はそのときどうするのか、どうしたくて、どんな行動をとるのかまだ想像はつかないですが、ベターを目指す医療者となりたいと考えさせられました。(看護3年)
  • 家族の代表意見が聞けて参考になった。
    要望などはそれぞれ実際に行うにはとても難しいものであるけれど、これが出来るか出来ないかが大きな差になると思ったので、忘れず思い返しては今後の業務にいかしていきたい。(医学6年)
  • 患者さんに教えてもらうことは多い。しかし現状と対応させることは難しい。
    患者の視点から見ると医療者の「悲しみ」「喜び」に対する対応の仕方には問題があると言われたことが衝撃的であった。(看護2年)
  • 医療従事者のメッセージをたくさん頂いて、とても参考になりました。一つひとつの言葉をかみしめて、将来患者さんの心情に配慮することを忘れないようにしたい。(医学3年)
  • 小児救急現場の医療、看護は難しいなと改めて感じました。救急外来で現在勤務していますが、子どもから訴えることはできないため、親は現状を必死になって伝えてきます。
    外来では他の患者さんも多くいるため、その人その人に合わせて対応していくことは難しく、それがストレスになることが多々あります。
    講演のなかでおっしゃられていたように「まなざし」が出来るようになればすばらしいことだと思います。
    2年目という未熟者のため、仕事の忙しさ、患者さんからの苦情にもまれ、なかなか難しいのですが、その人その人に合ったケアの提供が早くできるようになれればと日々思います。(看護師2年目)
  • 子どもを失った、大切な人を失った家族の気持を感じることができました。
    きっといつまでも全て理解できるものではないけれど、理解したいと思って寄り添い続ける努力をつづけようと思います。
    私の現場では、高齢で亡くなるかたが多いけれど、やはり患者さん、家族のかたへの精神的な関わりの根本は同じだと思いました。(看護師1年)
  • 始めに出てきた「死から目をそらさず考えてみる」という言葉がいきなり突き刺さった。
    病気や死が日常になっている医療者にとって、反らしているわけではないだろうけど、軽く流している傾向があるのではないかと思った。
    本当に死に直面した家族みたいにふさぎこんで沈むわけにもいかないけれど…。その辺が難しい。やりすぎもやらなさすぎも。
    メリハリをつければいいってことなんかなあ?もっといろいろ考えました。(医学5年)

 

≪幹事さんが添えてくれた言葉≫

私自身は、講演を聞いたり本を読むなかで、坂下さんの体験やそれを通して得た結論を知ることになり、ショックを受け、共感したり、現実問題の深刻さを認識したりしました。

しかし何より感動を覚えたのは、坂下さん本人がもつ正直で人間的な感情であったり、人や子どもに対する愛情の深さが存分に伝わってきたことです。その人間性にとても魅力を感じました。

三重大学に向かう車の中で言ったように、私は人と関わる仕事として医師の道を選びました。医師は人を癒すことにおいて人と関わるもので、そんなこと自分にできるのだろうかと不安になります。

しかし私には大切な人、自分にとって魅力的な人がたくさんいますし、そのような人たちと同じ「人」が地球上で生きていますので、やはりその人のために何か助けになりたいと思うし、それができたら自分の人生が意味あるものになるんじゃないかなと思っています。

いま世界では戦争が起こり、罪なき人や弱者が武力によって命を奪われ続けています。

平和や環境問題にも目を向け、子どもにとって過ごしやすい環境を作ることも大切ですね。医学だけでなく社会的なことを学び、将来の方向性について悩みながらも人間的に成長していきたいと思います。

でもまずは医者としての「腕」ですね。やはり。がんばります!

2004.8.4 矢野 亮

 

≪坂下≫
今回、事前に電話とメールで幹事の矢野亮さんと打ち合わせするなかで十二分に感銘を受けており、「将来医師になる君という人物に会うためにだけでも三重まで行きたい気持でいます」とお返事していました。
行くと、会場に来てくれたみんなも素晴らしかったです。

2004.6.26.記念写真