岡山大学医学部
2004/06/272004年6月17日
小児科教授の森島恒雄氏の勧めで、医学部学生対象の講義をさせていただきました。
大講堂満席の会場に、この大学の暖かい空気を感じました。
森島先生が作成されたこの講義の案内チラシの内容が、とてもうれしいものでした。
内容
現在、小児医療は大きな問題に直面しています。
小児科医不足だけではなく、小児救急を含む医療制度や、小児救急の際、重症化しやすいcommon diseases診療の標準化の遅れ、各地域の現状に即した小児医療構築の必要性など、緊急に解決すべき課題が山積みしています。
今回の講義の中で、小児医療の現状と小児救急の現場で大きな課題となる疾患「インフルエンザ脳症」について、小児医科学森島恒雄教授が概説し、メインゲストとして、インフルエンザ脳症親の会「小さないのち」代表坂下裕子さんをお迎えし、講演いただくことになりました。
坂下さんは、平成10年、愛娘あゆみちゃんをこの病気で亡くされました。その後「小さないのち」を立ち上げ、同じ環境にある人々を励まし続け、また小児医療の改革に向け、重要な提言を続けています。
また、現在は、厚生労働省インフルエンザ脳症研究班の一員として、「子供を亡くした親のためのグリーフケアをいかに充実させていくか」を脳症の診療ガイドラインにまとめるべく努力されています。
今回の講義を通じて、最愛の家族を失うということがいかに大変なことであるか、もし、懸命な治療が報われなかったとき、我々医療従事者は、どういう姿勢で家族に向かえばいいのかなどを、学んでいきたいと思います。
以上の観点から、今回の講義は、5・6年医学生に限らず、保健学科や学内外の医療スタッフにオープンに開講していきたいと考えます。
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