おお、おそろしや、昔話

2010/08/28

暑い、暑いと、言いがちだけれど
ずっと病棟にいる子ども達は、暑いお外が恋しいだろう
と思うと、私は「暑い」と言わなくなった。

小児病棟に、紙芝居をしに行ってきた。
今回選んだ作品は、ももたろう。
私が持っているいるももたろうは、
絵に描かれているももたろう君の姿に癒され
語り口が、何とも言えず、ほのぼのとする。

ももたろうが、桃から生まれた産声が
ほほげやあ ほほげやあ とある。
これを読むと、ほんに赤ごの泣き声のようじゃ。
(あれ?うつってしまった!)
普通、おぎゃー おぎゃー と書くだろう。
赤ちゃんは生まれるとき、おぎゃーとは、泣かない。

でも私は、昔話が、あんまり好きではない。
好きではないけれど、一通り知っておくほうがいいだろうと思い
最近、手にとるようになった。

村を襲った鬼たちは、村人の物を奪い、村の娘をさらっていく
桃太郎は、悪い鬼たちを退治しに行く。
犬と、さると、きじと、力を合わせて打ち倒す

   さあ、さらわれた娘や子どもを捜し出せ
   村から盗んできた物を積み上げろ

ここまでは、いい
次が、ひっかかる。
  
   桃太郎は、娘や子ども達を、鬼の大きな船に乗せ
   たくさんの鬼の宝を積んで、村へ帰ったと

悪いことをしたやつを、こらしめ
奪われたものを奪い返すのは、勇者だが
鬼から船を奪い
宝物も、奪い、
ようやった。でかしたぞ!と
歓喜させる展開なのかもしれないけれど
私は、どうも、興ざめしてしまう。
だって、泥棒じゃん。

相方が演じた作品は、中国の民話だった。
ぐいぐい引き込まれていくストーリーだと思った。
絵に描いたものが、本物になる筆を、仙人からもらった若者が
次々と絵を描いて、貧しい村人を救っていくのだけれど
欲張りな王様を、最後は絵に描いた船と風で、遭難させる。
つまり殺してしまう。

お国柄は違えど、物語の結末は、同じ。
こらしめて、改心させる、では手ぬるいらしい。
でも、子ども達、じーっと見つめて、聞いてくれた。