one day at a time

2019/12/14

one day at a time

この言葉は、「今現在を生きる」という意味だそうで

オーストラリア滞在中に、お子さんが深刻な病気になり、

闘病中、ターミナル期を通して、現地の医療スタッフが言ってくれていた言葉だ。

 

お母さんは、死別後も、深い悲しみに飲み込まれそうになりながら

何度もこの言葉を思い返して

「考えても仕方ないこと」や「まだ起こっていない出来事」について

色々考えることはやめました、と話された。

 

このお話を聴きながら、思った。

日本語って、このように短くスパッと言える言葉、あまりないなあ。

日本語には、丁寧語、尊敬語、謙譲語などがあり

気をつけたつもりでも、言葉のあや、祖語、行き違いがよく生じる。

だから、余計な言葉がくっつき、長くなる傾向があるのだろうか?

 

以前、講演に来ていただいたお坊さんの「禅」の話も思い出した。

禅では、「いま・ここ・わたし」を丁寧に生きることが強調される。

後悔や、未来の不安・心配ではなく、

現在にこころを尽くしていくことが、「いま・ここ・わたし」を丁寧に生きることに繋がる

というお話。

だから、one day at a time の精神は、

仏教を通して、日本人の心にもあると感じた。

 

そして先日、授業で、質問を受けた。

本当につらい人を前に、かけていい言葉って何でしょう?

私は、コレとは思いつかない。

人によって違うだろう。

けれど、大事なことを短く言う言葉である気がし、

one day at a time

の話をした。

 

そしたら、質問者はアメリカで暮らしてきた人で

思いもよらない言葉が返ってきた。

(つづく)