自分に子どもがいるから分かるのではない

2021/09/13

私は、体験者の声を重視するのだけれど

揺らぐときがある。

その一つが、専門職者が言う

「私にも子どもがいるので、気持ちはわかります」

という言葉。

 

「それは言わなくても良いのでは?」と私は提案するが

え?だけでなく、

不愉快に思われる感じがすることがある。

「そうして信頼を得てきたから」

「だから安心を与えることができるので」

と言い切られると、揺らぐのだ。

 

どう揺らぐかというと

もう提案なんてしないほうがいいかも、と。

 

もちろん信頼や安心を感じた当事者は、いたと思う。

でも、

「健康な子の親には、わからないと思う」

とまで思わないにしても

「あー、幸せなお母さんなんだー」と

淋しく感じる親(重病の子の親や、遺族)も存在するし

あくまで気を遣って、合わせる

ということをしている場合もあるだろう。

 

なんで、つらい思いをしている人が、さらに

淋しい思いや、気遣いや、我慢をしないといけないのか?

この問いは、深いと思っている。

一方

なんで、すぐ自分の子のことを言うのか?

なんで、すぐ「わかる」のか?

こっちの問いは、浅いと思っている。

 

簡単に「わかろう」としているからではないか?

 

「わかろう」「わかりたい」と思ってくれることは

とても有難い。

でも、簡単には無理。

 

「わかろう」「わかりたい」と思ってくれるなら

自分のことを言うより

話や気持ちを、よーく聴いてほしい。