「大丈夫」は逃げない姿勢を示す言葉

2022/08/24

「大丈夫」という言葉、

医療者が言っていいときと、言うと良くないとき

についてのご質問のつづき。

 

子どもの遺族の話をしていたのに

この話題で、私がタイムスリップしたのは

自分ががんで入院中、主治医に言ったことだ。

 

「先生、私、大丈夫ですよね・・・」

そう言ったら、

「私に言われても」と返ってきた。

若い女性の婦人科医。

 

ずどーん、という感じがした。

 

このことは、今回の研修では触れていない。

でも、どうしても自分の実体験は影響してしまう。

医療者にとって、「大丈夫」とは、

「治ります」或いは「死にません」を保証する言葉

と思われがちだけれど

そうばかりではないと思う

と話した。

 

では何が「大丈夫」か?

「大丈夫。私も一緒に考えていきます」

と言ってもらえないだろうか。

患者・家族だけに背負わせないつもりがあれば

言っていい言葉だと思うし、

言える言葉だと思う。

 

一緒に考える

一緒に悩む

いつも共に、という姿勢は

解決や解消の保証ではない。

 

解決も解消もできない道のりを

患者と家族は行くのだから

言葉の重圧や、防衛よりも

逃げない気持ちでいてくれたら。

患者家族は、そう願っていると思う。