いい言葉を並べて反省がうかがえない

2023/07/30

「同じ痛い思いをして死んでほしい」

という見出しの記事が目に入り、読むと、

これはつらいなあ、と思った。

 

17才の息子さんが、18才男性の車にはねられたが

あまりに悪質な運転。

時速110キロ越えで信号無視。

しかも意図的に信号を無視をするために

ライトを消していたらしい。

 

裁判長は、危険運転致死の罪を認定したが

懲役は9年・・・

 

ご両親は、

「まさかの9年、短すぎる」

と落胆されている。

 

わが子は17才で人生を絶たれたのに

犯人は27才からの長い人生を、普通に暮らす

と考えると、いたたまれないだろう。

 

両親が願ったのは

重罰と、もう1つ、二度と運転をしないことだった。

お父さんが「二度と運転をしないと誓いますか?」

と尋ねたら、

男はその約束をしなかった。

裁判員からも「なぜですか?」と尋ねられるが

「心のどこかで運転したいという気持ちが

残っているからだと思います」と答えている。

 

さらに私が驚いたのは、

裁判長が「最後に述べておきたいことは」

と尋ねたのに対し、答えた言葉。

 

「私は今回、今日まで過ごしてきた中で

当たり前がいかに幸せかを感じました。

被害者は同年代の専門学校生。

友達との会話や授業での実習など、

当たり前にやってくる日々を奪ってしまった。

夢、命、経験、

そしてご遺族にとっての大切な息子、弟、

幸せな日々を奪ってしまった。

一生癒えることのない深い傷と悲しみを与えた。

明日は我が身と分かっていながら、

どこか他人事に思っていた。

自分は大丈夫との過信からルールを守らなかったことで、

最悪な結果を招いてしまった。

償いはまだ分からないが、

ご遺族が何を望んでいるか考え、誠意をもって謝罪する。

事故がない世の中になればきっと

ご遺族も笑顔を取り戻せる。

そんな日が来ることを願っています」

 

これが本人の言うことだろうか?

いいことを言っているかのようで

まるで第三者。

特に最初の言葉と、最後の言葉。