大事なのは心で、話をしっかり聴くことから
2022/10/17このような活動は、「わかちあい」の時間を重視し
どこの会も、研修を行ったり、受けに行ったり
参加される方にとって良い場となるよう、努めている。
昨日は当会のファシリテーター(進行役)の研修の日で、
いろんなことを私も考えた。
当会では、進行役をしてくださる方も、一人の当事者。
自身の体験と重なりつつも、
個人の価値観とは相違があったとしても、
発する言葉に気をつけながら、
参加者の一番近くまでいく人、と言える。
研修を終えても
ちゃんとできるでしょうか・・・?
とおっしゃる。
20年以上、欠かさずやってきた私も
上手くいっているわけではなく
失敗、後悔、葛藤、悩みは尽きず
共に研鑽を積んでいく仲間になって
一緒に取り組んでいきましょう、など話した。
そのとき、ふと思い出したことを、言った。
どこの誰だか、わからないから、いいだろう。
依頼を受けて行った遺族会で
ドン引きしたことがある。
そこはサポートグループだった。
当会のような、全員が当事者の形態でなく
さまざまな専門職が運営にたずさわる。
その日、お子さんを亡くされた方の参加はなく
配偶者を亡くした方ばかりだった。
最愛の奥様を亡くされたご主人が、深い悲しみを、
小声で、ぽつり、ぽつり、語られていると、
ガサガサ、ガサガサ、バリバリ、バリバリ
何の音?
よく聴こえない・・・
先ほど配られた、お菓子の外袋を
畳んで、畳んで、まとめている。
そのご遺族の、すぐそばで。
聴いていないんだ。
聞き流している。
この人の職種を、先に聞いていたので
信じられない思いがした。
心理士と紹介された。
「わかちあい」が終わるとき
最後に一言ずつ、となって
その心理士が言ったこと。
「私が死んだら、夫はこうなるのだなあ、と思いました」
話に聴き入っていた人が言ったとしたら
同じ言葉でも、違う意味に受け取れたかもしれない。
夫婦の絆のかけがえのなさ、としてなど。
心をよそに置いていた人、つまり
対岸の火事を、えらい燃えてるなあ
とばかり眺めていたような人に言われると
やりきれない、と私には思えた。
ファシリテーターにスキルは必要だが、
一番大事なのは心であり
しっかりと話を聴くこと、からだ。