幼い頃にちゃんと「子ども」をしないと

2024/11/29

「きょうだい児」という言葉、

だいぶん浸透してきたように思う。

さまざまな分野で。

私がいる分野では、

きょうだいを亡くした「きょうだい児」。

 

今回目にした文章は、

障害をもつ子どもの、きょうだい児(妹)が

大人になって発言していること。

 

幼かった頃も、苦労があった。

家庭はお兄さんを中心に回っていたし

筆者は、それに必死についていった。

「育て方が悪い」と言われる家族を守るため。

 

成績も、友人関係も、完璧であり続けた。

大変な子ども時代を越えて大人になって、

また別の問題が生じてきた。

幼い頃、自分を大切にできなかった自分は

親や兄を大切に思えていないことに気付く。

けれども、将来、

両親と兄の世話をしなくてはならない。

いつの間にか、身元引受人にもなっていた。

 

筆者の言葉で、重く伝わる部分は

「幼い頃にちゃんと子どもを

してこなかったせいだろう」

「まだ自分の子ども時代のことも

整理できていないのに」

 

この人の発言を通して、思った。

きょうだいに障害があることが

悲しいのではなく、

そのため、子どもが子どもらしく

暮らせなくなることが悲しい。

子どものときにしか子どもはできない。

本当の意味で。

 

もう1つ思った。

この人は、大人になって、鋭く的を射ている。

きょうだいを亡くした「きょうだい児」も

もし、言いたいことがあれば、言って、

警鐘を鳴らしてほしいと思った。