したくてもなかなかできない生き方

2007/05/22

自分の日記はたまーにしか更新できないのですが、
私は必ず毎日見に行くブログがあります。
そこにはあちゅ君という小学生になったばかりの男の子がいます。
もともとは、その家の亡くなった子(あちゅのお兄ちゃん)のことが語られないかと思い
ちょくちょく見に行っていました。
でも亡くなった子のことはブログではほとんど語られず、
私はあちゅ君と触れ合わずに一日が終われない日常になっていったのです。

 最近のあちゅ君は、もらったトマトの苗のお世話をしています。
学校から帰ると必ず水をあげます。必ずだから雨の日もあげます。
あちゅ君はとてもまじめなのです。
トマトにとってちょっと迷惑なときもあるでしょうが、
でも決まった時間に必ず来てくれる彼をトマトはぜったい待ってると思う。

 あちゅ君には自閉傾向の発達障がいがあります。
あちゅ君にとってこの世の中がどれくらい暮らしにくいものかと思うと
気が気でなく、毎日のぞいていたわけです。
でもいつしか私は彼独特の世界観に釘付けになっていくのです。

 毎朝登校途中に「おはよー!」と声かけしてくれるおばちゃんがいて、
声かけはいいのだけれど、あちゅ君が返事を返さないから、大声で言い続けるのです。
私は読んでいるだけで耳鳴りがするように苦しくなりました。
あちゅ君は聴覚が過剰に敏感なので、そんなことされると恐ろしいはずです。
でも下のほうで小さくバイバイをおばさんに振ります。
挨拶という礼儀をちゃんとわかってるんです。

 あるときは、幼稚園で化粧水の商品サンプルが配られたことがあり
みんなは家に持って帰るとお母さんにあげたのだろうけれど、
あちゅ君は大好きなせんせい(若い女性担任)から受け取った物だから、
自分で毎日使うのです。

 私はブログをずっと見ていることをママに話していなかったのですが、
昨日、つい話してしまいました。
あの子のことがそんなに役に立ってたの?
あの子が生きてることにも意味があるのやね…
そんなふうに言われて戸惑いましたが、正直な気持を話しました。

 いろんなことに傷ついたり、あきらめたり、やっぱり期待したり、
そうして疲れていってた時期だとおもう。
自分のなかの醜さも突きつけられて、開き直るしかないかと思ったとき
あの駆け引きのなさを知ったのね。
「人をねたまない 人のせいにしない 根に持たない」
私はそういう生き方、したくてもできないけど、
あちゅは、私のこころのなかを洗ってくれたわ。
あちゅの、人に対する許しかたに私は救ってもらったの。