大きなものを失った後の生きかた

2008/02/25

昨日、佐藤律子さんの出版記念パーティーに出席した。
佐藤さんの新著「いのちの灯台」には佐藤さんを含め
子どもを亡くした親9名が紹介されており、私も取り上げてもらっている。
9名は、亡くなった子どもにまつわる話を教室で語る「いのちの授業」に取り組んでいる。

私は、この本に登場する親たちの共通点は、
子どもを病気で亡くしたということと、
いのちの授業に関わっている、この2点だと思っていた。
話を聞くうちに、もっと大きな共通点があることに気づいた。
全員が、有償・無償さまざまに「子ども」や「いのち」を象徴するしごとに携わっているのだ。

佐藤さんは、子どもの生命を題材とする本を書く(ベストセラー)作家になった。
Nさんは、臨床心理士の資格を取りスクールカウンセラーになった。
Sさんは、社会福祉士になった。
Oさんは、子どもを亡くした親の手記出版をサポートする出版コーディネーターになった。
Hさんと私は、子どもを亡くした親の会を立ち上げて運営している。
この6名は、子どもの死をきっかけに職業を辞めるなどして新たに取り組んだわけだが、
あとの3名は、辞めたり転職したりしなくても、携わることができた。
教師と、看護師と、救急隊員だったからだ。

みんな、「いまもつらい」と言っていた。
でも、しっかり目標の定まった生き方をされていた。
その後の生きかたに、失ったものの大きさが映し出されているように思えた。