「かなしい」とは、可愛くてたまらないということ。
2009/08/11 それはどういう曲ですか?
って尋ねていただき、ありがとうございます。
沖縄の知人に、歌詞の意味を教えてもらった、その曲は、
夏川りみさんが歌っている、童神(わらびがみ・ヤマトグチ)
という、子守唄です。
こういう歌詞です。(作詞は古謝美佐子さん)
天からの恵み 受けてこの地球に
生まれたる我が子 祈り込め育て
イラヨー ヘイ イラヨー ホイ
イラヨー 愛し 思産子
泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー
太陽の光 受けて
ゆういりよーや ヘイヨー ヘイヨー
健やかに育て
意味が分からなかったのは、「思産子」と「ゆういりよう」で、
次のように教えていただきました。
思産子(うみなしぐわぁ)は、子どもを神のように讃える言葉。
そういりようは、性(しょう)の入った子になりなさいよ、という意味。
ちなみに、うちなぁぐち(沖縄語)は、
意味に想いを込めて造られた言葉で、
中でも「思」という字は、特別な意味の時に充てられた言葉。
なので思産子も、ただ「子ども」という意味ではなく、
子ども自体、神と同等な存在で、
それくらい大切であるという意味だそうです。
私がこの曲に注目した理由は、歌詞の次のところなのです。
「イラヨー 愛し 思産子」
「いらよー かなし うみなしぐぁ」と読みます。
えっ?と思いませんか?
子守唄なので、元気な目の前の子に歌って聞かせているのです。
なぜ「かなし」いのでしょう?
子どもを失った親は、当然、「かなしい」と言います。
子育て中の親も、「かなし」いと言っている。
子育て中の親の言う「かなし」いは、かわいいです。
失った親が、亡き子を言うのも、同じように「かわいい」なのです。
悲しい言葉は、一般的には、ネガティブに捉えられ、
「可愛い」と言えば、ポジティブに捉えられる。
失った親が言う「かなしい」も、ぜひ、ポジティブに考えていただき
優しい言葉だから、たくさん言っていいよ、となってほしいものです。
会えないことが、かなしくて、たまらないのだけれど、
でも、かわいくてたまらない、と思って言っているのですから。