遺品整理から

2015/10/25

母のクローゼットを整理していたら、卒業記念文集が出てきた。
勤務していた小学校が作ったもの。
もしかして母の文章もあるのかと、ページを繰ってみると、
教員のページの最後にあった。

そうそう、私が小さい頃、難聴のお子さんの学級を受け持っていたと聞いた。
今の私より20歳近く若い母が書いていることが、なんだか不思議。
半世紀も昔の文章に思えず、現代にも通ずるようにも思えた。

ところが、私とは、決定的に異なる感性が描かれているところが
1行だけあった。
ちょっとだけ、寂しくなった・・・

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幸せは自分の手で
             石丸 園子

人は神様の前にすべて平等であるはずなのに、世の中には、
自分の意思とは全く無関係に、いろいろな障害を背負って
生まれてくる子どもが驚くほどたくさんいます。
美しい絵もきれいな音楽も理解できない子がいることを思えば、
目が見え、耳が聞こえ、二本の足で運動場をかけまわることは
何とすばらしい幸せなことではありませんか。
門出の喜びと希望に胸を燃やしていらっしゃるみなさん、
自分の幸せを喜び、感謝するとともに、障害に苦しみながらも
それを克服して、強く生きぬいてゆく友だちのためにも、
やさしい愛の火を燃やしつづけてくださるようお願いします。
 難聴の皆さんには、補聴器というすばらしいい文明の贈り物があります。
失ったものにくよくよせず、残された機能をよく磨き、よく伸ばし、
人にあまえず、自分の手で幸せをつかむ、強い人になってください。