死を意味づけるとは

2020/08/21

ある先生が、遺族の回復の指標として

「意味づけ」ができるかどうか、と言われたらしく

その解説、誤解を生じるなあと思った。

 

意味づけとは、出来事と出来事を結び付け

(都合の)いい筋書きをつけること。

 

出来事の片方を、誰かの死、とし

もう片方を、何か生じた事とする。

その2つを結び付けて、「よい」を見出すなら

小さい「よい」がいい。

 

例えば、**ちゃんのお墓参りに行こうと思っていたら

電話がかかってきて、ちょっと遅くなったから

明日にすることにしたら、急にひどい夕立になり、

あー **ちゃんが濡れないようにしてくれたんだ。

 

のような意味のつけ方なら

大抵の遺族がするだろう。

 

ところが、「意味づける」とは、「価値づける」

ということでもあるので、

死そのものに、価値をつけることとも受け取れる。

それは、なかなかできるものではないし

する必要もないと思う。

 

例えば交通事故で**ちゃんが亡くなったあと

その交差点の右折信号が変わった

信号が改善されたお陰で事故は起きなくなった、として

「**ちゃんのお陰」と言えるだろうか?

 

そこまでの「意味づけ」は、

他人でも、言葉を慎むと思う。

 

子どもでなくても、かけがえのない人の

「死」そのものに「よかった」はないのだから。