懲りずに打ち明けることは大事かも

2021/05/29

絵本「くまとやまねこ」のつづき。

家の中に、長らく閉じこもったくまが

久しぶりに窓を開けて、外へ出てみた日

おかしな形の箱を持った山ねこと出会う。←バイオリンが入ってる

 

箱の中を見せてほしいと、くまが頼むと

きみの持っている箱の中を見せてくれたら

と、山ねこが言う。

 

くまは、ちょっと迷ったが、箱を開けた。

(わたし、ここで、またドキドキ)

 

ちょっと迷っただけで、開けるんやあ、

くまさん、懲りてないんや、と思った。

だからこそ、

もう言葉で傷つけないで、とも思った。

 

山ねこは、箱の中のことりをじっと見つめたあと

こう言った。

「きみは、このことりと、本当に仲が良かったんだね。

ことりが死んで、ずいぶん淋しい思いをしているんだろうね」

 

ふぅーーー

わかってくれて、うれしい。

 

実は、この山ねこ、

登場の仕方に、ぶっきらぼうなイメージがある。

ぼろぼろのリュックサックを投げ出して寝転がり

片目を開けて「なにか、よう?」

から始まる。

 

当然、箱の中を見ると

顔をしかめたり

何でそんな鳥をいつまでも持ち歩いてるんだ

くらいのことを言いそう。

ところが、まったく、そうではなかったのだ。

 

このあと、山ねこが弾いてくれるバイオリンの音色に

導かれるように、くまが多くのことを思い出していく様は

人間の心の動きと、よく似ているように思い

私はこの物語に感銘を受けた。

 

あまり長く引用するわけにはいかないので

このあたりにしておくが、

くまの言葉で、なくてもいいかな?と思ったのが

「ぼく、もうめそめそしないよ」のひと言。

 

この先も、時にはめそめそも、あっていいことに

しておいてほしいな。