「良かった」を探す一般的な知恵
2021/08/02昨日のつづき
子どもを亡くした親に、周囲の人が
少しでも気持ちを軽くしてあげたい思いから生じやすい
1つに「よかったを探す」がある。
よく言われるのが
「お兄ちゃんがいて良かったね」。
もともと「よかったを探す」行為は、
万人に共通する、試練を乗り越える知恵。
たとえば
今開催されているオリンピックでも、
前回選ばれなかった人が、今回優れた結果を出したりする。
この人は、きっと思っただろう。
選ばれなかったこと、ものすごく悔しかった
だから、あの試練により今の自分がある。と
こうした解釈の背後にある考え方として
何が不幸かは、わからない とか
本当の結果は、ずっと先にある といった考えで
ことわざの「人間万事塞翁が馬」がそう。
息子が、馬から落ちて大怪我をしてしまった。でも
この怪我のおかげで戦争に行かず、死なずに済んだ
といった意味をもつ。
「このことわざが、きらいになった」
と言ったお母さんがいた。
私たちの場合、本当の結果が、子どもの死。
このプロセスに「おかげで」がなく、
遂に好転することは、なかった・・・
なので、
少しでも軽くしてあげたい思いは、有り難く思うものの
方法としては
ほかのことがいいと思う。