ペンギンになりきって雛を育てる

2021/10/14

ほんと動物には癒されるのだけど

こんな記事見て、動物園の飼育員さんを、また尊敬した。

ペンギンの赤ちゃんの飼育。

 

産卵後、親鳥に潰されないように、ふ卵器で温め

ひなが殻を内側からつっついているのが確認できても

自力で割って出て来れなかったら、外から手伝う。

完全に人の手で育てると、後々繁殖に繋がらないらしく

ある程度育つと親鳥のもとに戻す。

 

問題は、人が育てる時期の育て方。

鳥類は、最初に見た動くものを、親と認識するのだそう。

(あんまり賢くないんかな?)

親鳥のもとに戻ってからのことも考え、飼育員は、

ペンギンの覆面をし、くちばしに見立てた手袋で

餌を与えているという。

 

ここで思うのが、

「よしよし」「可愛いね」とか言いながら?

愛情かけて育てるほうがいいだろうと。

それは違った。

声は一切出さない。

声も、言葉も、人間のものだから。

 

でもコミュニケーションは必要でしょう。

だから親鳥の鳴き声を聞かせている。

さらに親鳥には、偽物の卵を抱かせておき

雛を戻す際に、偽物と本物を入れ替える。

(やっぱり、あんまり賢くない?)

 

すごいなあ、飼育員さんの努力。

私が感動したのは、

人が極力「自分」を消していること。

 

人間の社会では、自分を前に出す人って、いる。

存在を認められたいわけだ。

ケアの考え方は、その逆で

ただ相手にとって良いことを願い

できるだけ目立たないように、役に立とうとする

そういう精神こそが、結果的に、

ケアとしての成果を生み出すように思う。