これまで無理にご飯食べさせてた気がする

2022/10/26

お子さんを亡くされたお母さんから

ある専門職(医療職や心理職ではない)の方が

絵本をくださった、という話を聴いた。

 

その絵本、

テキトーに買ったものではないことが、

私にはすぐにわかった。

「忘れられないおくりもの」といえば

グリーフケアの絵本として、知られる

もっともオーソドックスなもの。

作家の柳田邦男さんが好評したことでも

知られるようになったが、とはいえ

グリーフケアの関連職でなければご存じないだろうに

きっと、調べて取り寄せてくれたのだろう。

心が込められていることが伝わる。

 

何より、その方が素晴らしいと思ったのは

手渡すときの言葉。

「読まなくてもいいです」

 

ふつう、

「ぜひ読んで」と言わないだろうか。

「感想、また聞かせて」くらいまで言う人もいる。

 

多くの当事者から聞くことに

何かを人から貰ったりするとき

「これいいから」と勧められる。

本人、少々負担に思ったとしても

ここに、くれた人の期待への配慮(?)が発生し、

そのため実行せざるを得なくなる。

読むとか、食べるとか、使ってみるとか。

 

これって、ケアになるだろうか・・・

押しつけにも近いように思える。

 

お母さんの話を聞き、自分はどうなんだろう

と思った。

押しつけ、していた気がする。

 

後日、

お子さん亡くされて日の浅いお母さんが訪ねてくださり、

昼ごはんを一緒に食べましょう、と言っていたが

その日、作る余裕がなく

買ってきたものを出した。

 

並べてから、私は言った。

「残していいです」

 

そしたら、その方、

残された。

 

あー、やっぱり・・・

 

「すみません」と謝られたが

ぜんぜん大丈夫。私作ってないから~

というのも、案外、いいと思った。