記憶力がよくない私が絶対に忘れない

2022/11/09

コロナ禍において、遺族ケアの活動を、

オンラインでするのと、対面でするのでは

何がどう違うか?

という意見交換が、運営者間でよく行われる。

 

両者の違いは、次々と挙がるが、

中止するよりも、オンラインであっても「する」

というところに最大の価値があると私も考える。

 

一方、対面で行う利点は、

挙げればきりがないほどあって

私のなかでの1番の違いは、

実際に顔を合わせて、言葉を交わした人のことは

何年経っても忘れることがない、と言える。

 

たとえば、画面越しでだけ対話したかたは、

もちろん知らない人ではなくなるが、

もし何年振りかで、外で待ち合わせて、

すぐにわかるか?と問われると

自信がない。多分わからない。

 

そんなことを議論していたあとで、

10年振りくらいに会う会員さんと、

新大阪駅で待ち合わせた。

10年前に会って、話したことがあるから

私は絶対に見間違えない自信がある。

 

なかなか現れないなあ、と思っていたとき、

後ろから、「坂下さん?」と声かけられた(と思った)。

「はい!」と私は喜びに満ちた声で振り返る。

 

けれども固まる。

「いやー、久しぶりー」と言われたが

言葉が出ない。

似ているけど、人違いではないか・・・

 

「坂下ですが」と言うと、

その人「タカシナさん」と言っていたのか、

人違いだった、と謝られた。

 

私、自分のこと、スゴイ!と思った。

マスクで顔が半分見えないのに、

しかも、ちょっと似ていたのに、

違うと思ったもん。

 

待ち合わせていた相手は、

別の改札口を出て待っていた。

大きな駅で待ち合わせると、こういうことになるが

でも、私は、見間違えない。

一回でも、会って、話をしたことのある

お子さんを亡くされた方のお顔は、

絶対に忘れない。