8㎝の産着を作ってくれる人たち

2024/02/21

「亡くなった赤ちゃんのための8㎝~のお洋服」

というタイトルの記事。

紹介されているのは

死産などで生まれた赤ちゃんに産着を提供している

「天使のブティック」の活動。

 

私がこの活動の代表者に会いに行ったのは

2003年だったと思う。

神奈川県立こども病院のソーシャルワーカーだった

古屋さんは、海外での取り組みに習って

おそらく国内で最初にこの活動を始めたかた。

会えて本当に嬉しかった。

 

無理なお願いと思いつつ

「一ついただけないでしょうか」

とお願いしたら、

産着と、帽子、おむつカバーをくださった。

とても手間暇かけた、美しい仕上げだった。

 

産着の丈は、20センチほどで

帽子は、子どもの握りこぶしを包むほど。

おむつカバーは、最初何かわからなかった・・・

 

古屋さんは、その後活動から退かれたようで

現在は当事者の方たちが運営されているが

理念は脈々と受け継がれているようだ。

 

私は、多くの病院に

この方たちから産着の提供を受けることを

お勧めする一方で

お母さんと助産師が、一緒に産着を縫う

ということも勧め、

手早く作れる方法を考えてきた。

 

それには理由があった。

お母さんが、子どものためにできることを考える

ということを大事にしてきたが

もう1つ、大事なことは、

助産師が縫っておいては、準備していた?

かのように伝わらないか?

 

傷ついている人の心は

さらに、容易に、傷つきやすい。

 

ところが、きょうの記事を見て驚いた。

「天使のブティック」から取り寄せた産着

つまり、今起きている赤ちゃんの死とは

無関係の人たちが作ってくれた産着でも

「私の子どもが亡くなることを予想していたの?」

と怒りを覚える産婦さんがいるらしい。

 

悲しみと、怒りが、

とても密接である難しさ

それでも、

勧めてみたり、提案してみたりすることを

やめてしまわない大切さ。

両方、同時に考えなければならない現場

なのだなあ。