いいことも悪いことも、その子の生きた証

2024/05/19

「花咲舞が黙ってない」というドラマ、面白い。

でも、ドラマにありがちな

人が亡くなったあとの不自然なやりとりは

やはりあった。

 

年ごろのお嬢さんの話をしていたお母さんが、

「娘は亡くなりました」と言うと、

花咲舞は、あわてて

「私、余計なことを」と言う。

 

ドラマは、一般的な姿を描いているとすれば、

こういうとき、

余計なこと、言ってはいけないこと、悪いこと、

という扱いになるんだう。

 

まあ、それは、よくありがちなことで、

それより、その言葉に対する母親の言葉、

「もう5年も前のことですから」は

とってもヘンだった。

子を亡くした親が「5年も前のこと」は言わない。

 

でも、このあとのやりとりは、心に響いた。

 

娘が亡くなったあと、不思議なことがあって

「通帳は生きていた」という。

お金がの振り込みが続き、のちに引き出される。

不信に思った花咲舞(銀行員)は、

調べようと思うが、その前に母親に尋ねた。

「知りたいですか?」

 

母親は、「できることなら知りたいです。

いいことでも、悪いことでも、

娘の生きた証ですから」

 

そうだなあ。

いいことだけでなく、悪いことも、どんなことも

その子にまつわることは、すべてが

その子の生きた証。

 

そう思うのだけれど

例えば、病気で亡くなった子どもの

闘病中のこととなると、足がすくむ親は少なくない。

私もその一人で

カルテ開示、できなかった・・・

 

症状のどこかが、一時的に良い数値を示した

などという情報も、おそらく含まれ、

それは「いいこと」にあたるし

あゆみの生き抜いた証、頑張りの証拠。

なのに、目にすることも、手にすることも

私はできなかった。