つらいけれど「よかった」を見出せる人

2024/10/04

昨日、日記に

不幸だった人が

その中に小さな「いいこと」を見出して

ずっと自分を不幸に置かないように暮らしていく

と書いたあと、

先日受けた研修の、講師を思い浮かべた。

 

その方は、奥さんと一人息子さんの

3人家族だったが

奥さんは、精神科に通う病気になり

人付き合いをせず、家の中で暮らしていて

友だちを連れて来ないように子どもに言っていた。

でも、息子さん、始業式で友だちになった子を

家に連れてきてしまって、お母さん激怒。

その場で灯油をかぶってしまう。

家も燃えてしまう。

お父さん、悲しむ余裕もなく男の子を育て

男の子が高校生になったとき、始業式の日、

「行ってきます」と家を出たきり

帰ってくることはなかった。

随分経って、山中で白骨が見つかった。

 

この方、社会福祉士になり、

遺族会も立ち上げ

遺族会運営の研修講師などされている。

 

受講者から質問の手が挙がり

その質問、私も聞きたい!と思った。

「先生の心のケアはなんですか?」

 

異業種や異分野の人との交流、飲み会

とその方は答えたが

それぞれに、合うことをするといいのだな。

(私はスキー)

 

で、一番印象に残ったのは

声が大きくて、表情が明るいこと。

 

なんでかな・・・?

と思うこと自体、失礼かと思ったが

理由はわかった。

 

いいことを見つけて

「よかった」と思うことではないだろうか。

 

みんな聴き入っていたし

活発に質問の手が挙がっていた。

つまり熱心に受講していることが

ありありと感じられた。

 

そうして、最後に

「この場に呼んでくれて、ありがとう。

皆さんにお話しできて良かった。嬉しかった」

と笑顔で言われていたが、

本心からそう感じておられることが伝わった。

 

つらかったことを

つらいだけのことに留めてしまわず

伝えられて良かった、と

「よかった」を見出せる人の、生きる姿、

とても高潔に思えた。