少数の頭で考える「大事なこと」

2025/01/06

交通事故被害でお子さんを亡くされた方と

病気で子どもを亡くした私たちと

かけられる言葉の違いや、抱く感情の共通

など書いてきたが、もう1つ、

かけられる言葉も、抱く感情も、

共通する言葉がある。

 

お父さんの話のつづき。

「『笑えるんや、よかった』

この何気ない言葉ですが、

心の底から笑うことはできませんし、

元気なわけがありません」

 

そう、元気なわけがないのに

「元気そうでよかった」もある。

「よかった」を言いたいようだな。

良いことは起きていないのに。

 

考えてみたら、私たちも、

久しぶりに会ったりすると

「ぜんぜん変わらないね」=若いね

といった言い方をしてきた。

すると相手は大抵喜ぶ。

 

若いこと、元気がいいこと、笑顔でいること

=良いこと

のような思い込みは、私にもあった。

 

自分が、笑うことや元気でいることに

無理を感じるようになったとき、

天気予報の解説をしている人の話に

そうだよね!と思ったことがある。

 

その人たちは「天気がいい」という言葉

言わないそうだ。

多くの人にとって、天気がいい=晴れ

だから挨拶でも「いい天気で」と言うが、

雨が降ってほしい人

雨が降らなくて切実に困っている人が

世の中にはいることを考えていない。

 

そのことを知っている人がいることが

ぜんぜん立場は違うけれど、嬉しかった。

社会の少数の立場の、状況や気持ちを

考えたうえで発言している人の存在が。

 

私は社会の少数の立場だと気づいたが、

少数側でもいい。

少数の頭で考えることを

社会のなかで、大事なこと、と

思ってもらえる時を迎えたい!

と考えて

今の気持ちを大事に持ち続けよう

と思ったりしたのだった。