家族の死にストーリーをつける「結びつけ」
2025/06/18「結びつけ」のつづき。
物ごと、むやみに結びつけると
もし口論中なら裏目に出たりもするが
遺族は、ひそかに、独自に
「結びつけ」はよくしている。
例えば
先日、長嶋茂雄さんが亡くなった。
長嶋さんのファンなら、
スーツの着こなしが素敵と思っていただろう。
長嶋さんのスーツは、長年、
一人のテーラーが手掛けていたそう。
その方、
長嶋さんの死から1週間後
亡くなられた。
えーーっ、と思う。
偶然過ぎるなあ。と同時に
絆のようなものを連想したりもする。
もう結びつけていて
「絆」を描き出している。
これは私の結びつけかたで、
人それぞれだろう。
テーラーさんの息子さんは
もっと素敵に結びつけた。
「敬愛する長嶋茂雄さんが、あちらで
着るものがなくては困るだろうと
出かけて行ったのでしょう。」
ああ、そうかも知れない。
と多くの人が思うだろう。
ご遺族がそう言うなら
そうだといいな、と。
そうやって遺族が
どうにか受け入れよう、納得しよう、
としているところに、
自分も着地しようと心が動く。
なぐさめられる。
悲しいとき、
受け止めきれないとき、
そのもの、そのままでは、難しいとき
人は、特に遺族は
家族の死にストーリーを付け
その付け方というのが「結びつけ」
であることが多い。