遺族の新しい取り組み

2011/02/12

「もっと、遺族として遺族への支援を濃くしていくため」
と前回書いた。
具体的に、何をしようとしているか、というと
子どもの遺族が、子どもの遺族を、訪問するシステムを立ち上げている。

これは、もともと頼まれて始めた事業で
「小さないのち」が主催しているわけではない。
やっているうちに、本腰入れるようになってきた。
いまは、大阪市にある、ある大きな病院のなかで行なっている。

私がこれまでやってきたのは、自助グループである遺族会。
遺族会というのは、遺族自身が探し、入会してきてくれる。
けれども、探しきれない人もいるだろう。
問い合わせる元気がない人も、いるかもしれない。
だから、訪ねていくような仕組みが必要と、考えられるようになった

保護者が「遺族」となるのは、看取った病院。
そのとき、一番近くにいるのは、医療スタッフ。
医療スタッフが、両親に対し、「このようなシステムがあります」
と知らせてくれさえすれば
悲しみのさなか、自ら探し回らなくても、仲間に出会うことができる。

ただ問題は
親は、子どもを見送るなり、すぐさま「遺族」という立場に立てるだろうか・・
わが子が亡くなったと、認めることも難しいような、このときに
遺族を紹介されるようなサービスを
何の抵抗もなく、聞き入れることができるだろうか・・・

でも、このとき、耳に入れてくれなければ、接点を失ってしまう。
あとは、ネットなりで見つけてくれるしか、ない。

医療スタッフには、さらっと、でいいから
この有志の遺族達の活動を知らせてほしいと頼んでいるが
なんでそんなこと、いま言うんですか!
みたいな苦情が、スタッフに向けられると、とても申し訳ないし
私たちも、つらい。

海外では、悲しみの最中の遺族を、遺族によって支えていくシステムが
すでに定着しているが
日本では、まだまだ新しい。
私たちも、当分の間、右往左往しそう。

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