焦ってもいいわけはないから
2013/03/25 久しぶりに、「つどい」にゲストを招いた。
臨床心理士という、
人のこころに、自らのこころを駆使して寄り添う専門職。
若い、しかも独身の、男性。
よく子どもを亡くした親は言う。
子どもを亡くす痛みは、亡くしたことのない人には、わからない。
まして、結婚もしていない、子どもを持ったことのない人には
到底、分かり得ない。
たとえ、どのような専門家であっても、と。
そうかもしれない・・・
今回、私がこの人を「つどい」に招いた理由は
心理士によるグリーフケアの話を、みんなに提供したかった
からだけでなく、この人が
「きょうだい」の立場で体験を語れる人だからだった。
子どもを亡くした家庭では
今いるきょうだいを、かけがえのない存在と認識しながらも
いやおうなしに、こころは亡くなった子で占め尽くす時期がある。
いやおうなしに、きょうだいの悲しみに気づかず過ごす時期もある。
子どもを亡くした親は、
ゆっくりとしか暮らしを前に進めることができない。
ゆっくり、ゆっくり「たましい」を芯に戻していく。
その過程で、きょうだいは目覚ましく成長する・・
親の歩調と、きょうだいの成長が、釣り合わないかもしれない。
だからといって、焦ってもいいことはないだろう。
親の不安や焦りを、
大きくなった「きょうだい」による講演を手がかりに
焦らなくてもいい
いまある不安は、案外取り越し苦労かもしれない
など、そっと胸に届けたい思いで
今回この人に来てもらった。
もちろん、今「きょうだい」がいる人に対してだけでなく、
子どもを亡くした親どうし
あたかもキャンプファイヤーを囲む
そんな面持ちで、話を聞く時間をもちたかった。
参加が叶わなかった方には、会報で当日の模様を伝えます。