亡くなった子を思うことに意味はある

2021/11/12

瀬戸内寂聴さんが亡くなり、記事が多く出ている。

私は、このかたの本を1冊も読んでいない。

あゆみが亡くなった当時、テレビで法話を聴き

だめだ、私には

と思ったから。

 

番組では相談者の人がいた。

お子さんを亡くされたお母さん。

そのかたが、つらさに対しお言葉を求めると

「亡くなった子のこと、いつまでも思っても仕方ない」

というようなことを言い放っていた。

亡くして、どうしようもなく辛いお母さんに。

 

そのとき、私は、

言われていることの意味が、わからなかった。

冷たすぎる、と思った。

あれから20年を経て、今の私が思うことは

亡くなった子のことを思うことに、意味はある

そう断言できる。

亡くなった子は、親の生を支える。

支えてもらっている、のではなく、親自らが

さまざまなことを生き方に反映していく。

亡くなった子を切り離して生きる必要はないし

切り離して生きることは、できない。

 

「あるがまま」生きることは

禅の教えでもある。

きょう、グリーフケアの講師でもあるお坊さんから

禅の講話を聴いた。

 

瀬戸内さんの本を読まない理由は

もう1つあって

こっちのほうが根本的かもしれない。

(つづく)