思い出の場所に行く人・行かない人

2021/11/23

子どもとの思い出は、大事、というのは

すべての親に共通すると思うが

思い出の場所には

好んで行く人と、行かない人がいる。

 

その違いは、何なんだろう?

と、ずっと思っていた。

 

とりわけ、お子さんが楽しんだ、

笑顔をいっぱい見せた場所、というのは、

家族にとって、もっとも思い出が濃い。

何回も、家族で行っていたりする。

 

だから親御さんの話によく出てきたり

お子さんの様子を、ありありと

満面の笑みをたたえながら話してくれたりする。

 

聴く側は、

その場を見ていないのに、目に浮かぶようで

きっとその後、感慨深く訪ねたりされてるのかなあ

と想像したりする。

 

ところが、亡くなったあとは

1回も行っていない。おそらく行くことはないだろう

という言葉が返ってくると

ギャップに驚いたりする。

 

思い出の場所に、行かない人の

胸の内が、きょうわかった。

行かない人にとっては、今そこは、

思い出の場所ではないのだ。

 

思い出の場所とは、

わが子がいる、わが子の姿がある場所。

つまり記憶のなかの、そのとき。

 

いま行っても、そこにわが子はいない。

同じところにあっても、同じ場所ではないのだ。

だから

何を見に、何を感じに、わざわざ行くの?

ということ。

 

思い出って、すごく大事。

記憶って、ものすごく大事なんだとわかった。

きょう、お子さんを亡くされたお母さんと

じっくり話をして、ようやく

この謎がとけた。