意識はあっても、なくても、母と子は

2022/12/21

先日、2022年の出来事をまとめた長時間番組があり

そのなかで、

新型コロナで重症の妊婦さんの、出産があった。

 

夫婦で感染し、ご主人は軽症で済んだが

奥さんは妊娠5カ月の身でありながら、重症に。

人工心肺装置「エクモ」を使うために意識をおとす。

すると血液をサラサラにする薬も必要になり

血が止まりにくくなると、手術は危険。

 

赤ちゃんは小さすぎるし、

母は「コロナ」で命が危ないし、

帝王切開もできないし、、、

母子ともに危ぶまれた中で起きた奇跡。

 

通常は40週で生まれてくる赤ちゃん、

27週ではあまりに早いが、産道を下りて来た。

母は意識がない状態、

まるで自らの意思が働いているかのよう。

自分の命のことも、母の命のことも、

どちらの限界も知っているような赤ちゃん。

 

933グラム。

生きられる!

 

出て来た赤ちゃんに感動していたが

このとき、助産師さんにも感動した。

 

赤ちゃんが出たとき、

いち早く、お母さんの顔のほうに向かって

「赤ちゃん女の子ですよ!おめでとう」

と教えてあげていた。

意識ないのだけれど。

 

そして、

生まれたばかりの赤ちゃんにも

いっぱい話しかけていた。

 

とても小さく、

手足ひょろひょろの赤ちゃんに

つよいね!がんばった。おめでとう!

褒め称えてくれる姿に

こうやって迎えてくれるんだなあ、と

胸が熱くなった。

 

出産を終えても、お母さんの予断は許さず

退院まで1年かかった、という。

 

それにしても

あの奇跡のようなお産、

お母さんが起こした奇跡だろうか?

赤ちゃんが起こした奇跡だろうか?

と最初思ったけれど、

二人でだ、と思った。

母と子は、生まれる前から以心伝心

意識は、あっても、なくても、だ。