どんなに愛情をかけて大切に育てても

2023/12/13

中国の「一人っ子政策」の実態を伝える

ドキュメンタリー番組を見た。

 

後取りとなる男の子が大事で

女の子であれば里子に出されてしまう。

段ボール箱に入れて捨て子する場合もあった。

2人目を生むと、年収の2倍以上の罰金が課せられる。

農村では到底生活できない。

これが2014年まで続いたというから驚きだ。

 

一人の母親は、

引き離された娘を、ずっと探している。

両親の意思と無関係に実母が連れ去っていた。

3人娘がいるところに女の子が生まれ

この子が連れ去られ、5人目に男の子が生まれた。

4人子どもがいるが、探し続けている。

どんな苦労をしても育てたかった思いや

何人いようと1人の子どものかけがえのなさを

痛切に語っていた。

 

私が普段耳にする母たちの言葉とも重なる。

子どもが何人いても、

亡くした一人の子のことで

心は張り裂けそうで

会いたくてたまらない・・・

 

一人の女子学生は

アメリカ人が養子縁組をしてアメリカで暮らす。

この子が、産みの親に会いたいと思い続け

対面を果たすことができた。

 

私は、ちょっとショックだった。

アメリカ人の母親は、愛情かけて大切に育ててきたが

娘の気持ちを汲んで、一緒に会いに行く。

中国の親に、娘を育てさせてもらったことへの

感謝を伝えた。

 

彼女(里子)にとっては

中国に渡って対面が果たせたこと

引き離されたことに両親も悲しみ続けていたこと

両親も、ずっと会いたいと願っていたこと

こういうことを知ることは

とても大事なことだったと私も思った。

 

そして願いを果たしたことで

心新たにアメリカの家に帰っていくもの

と私は思いこんでいた。が!

中国で暮らして親孝行したい

親を助けるために自分も農業をする

と言って泣く姿に

愕然とした。

 

血縁の強さ、ちょっと怖いとも思った。

「出自」を知ることは、子どもにとってとても大事

と知られるようになってきたが、

じゃあ、育ててくれたことは、どうなの・・?

いつも一緒にいてくれたこと

いつも気持ちに寄り添ってくれたことは・・?

 

子どもの気持ちを第一に

とよく言うが

今回ばかりは、ちょっと傷ついた。

目の前でそう言い切られてしまう

アメリカ人の母親を思うと。