あゆみが生まれた日の良かったこと
2025/01/14あゆみが生まれた日のこと。
あゆみが生まれた大阪市立十三市民病院は、
ダンナの実家と目と鼻の先にあった。
なぜ実家に泊まりに行ったのだろう?
そうか、翌日は予定日だったから定期健診だ。
朝まで産まれる気配もなかったのに
突然、その時はやってきた。
う、う、これ、陣痛だ~~
私は、合間の力を振り絞り、
大きなお腹の底を、両手で持ち上げて
病院に向かって走った。
診察券だけ握り締め。
病院の前に交差点があって、
信号は黄色だったが、
止まったら赤になってしまう。
ちょっとも待てない。
待ったら、交差点で生まれるかもだ。
黄色で渡った信号は、途中で赤になった。
間に合う!と思った、そのとき、
後ろに、赤信号で渡って来る姑が。
車道側が青になり、車が走り出し、
その中を走り抜けてくる姑。
私が準備した大きなかばんを抱えて。
えーーっ、なんで付いて来る??
姑まで慌てる必要ないのに。
このとき、初めて、
姑の顔が、別の角度から見えた気がする。
きびしい、言葉きつい、あんまり笑わない、
その人物像が、くしゃっと緩んで。
私を独りぼっちにしないため
だったとしたら・・・
そのあと、陣痛室を二人で過ごした。
実の母娘のように。
生まれて、退院したら
元の姑の顔に戻っていたけれど
あの日のことは、忘れないようにしている。
有難くて、嬉しかったから。
忘れないようにしていたつもりだけれど、
尋ねてもらわないと
すっかり思い出さなくなっていた。
尋ねてもらえて良かった。
いまは、仲間がいてくれることが
有難くて、嬉しい。