過ぎたことより今後だけを考える組織

2025/01/16

誰もが知るタレントが、女性問題を起こし、

示談金9000万円払った、というニュース

テレビを見ない私も耳にした。

 

こんどは、ご本人が出した「お詫び文」が

物議を呼んでいるらしい。

 

「示談が成立したことにより、

今後の芸能活動についても支障なく

続けられるようになりました」

 

この文章の、どこがいけないのか、

私にはよくわからなかったが、

あるママさんが涙ながらに話されたことと

なぜか、すぐに重なった。

 

そのママは、重い病気をもつ赤ちゃんを

早産で産んだため、つらい毎日を過ごした。

赤ちゃんのためにできることは、母乳を届ける

その1点だけだから、懸命に絞って届けた。

母乳は冷凍保存され、少量ずつ与えられた。

面会時には、預けた母乳をママが受け取り、

ママも哺乳瓶であげるようになった。

ある日、ナースステーションにもらいに行くと

「ない」と言われ、いくら探してもなかった。

 

この1件、このあと何が必要だろう。

 

普通に考えて、預かったものをなくしたら

謝ることだろう。そして、なぜ「ない」のか

理由を知らせることだろう。

 

でも、謝られることも理由を知らされることも

なかったと言う。

期限切れの他人のぶんと間違い、廃棄された、

それ以外考えられないから、そうなのだろう。

でも、捨てた確証はないから

「わからない」と結論づけられた。

そのため謝られることもなかった。

 

その後ママに知らされたことは

具体的な「再発防止策」だった。

これを聞いて、ご本人は喜ぶだろうか?

つまり、過ぎたことよりも今後のこと。

 

じゃあ今の「わたし」の気持ちは・・?

 

組織としての動きだなあ、と思った。

しかし組織も人ではないだろうか。

その組織、一人を大切にできなくて、

多人数を大切にできるのだろうか?

 

タレントの一文から飛躍してしまった。

でも、「示談が成立しているので今後は支障なく」

という立ち位置が、

「再発防止策は成立したので今後は支障なく」

と胸を張って言われたママの気持ちが

私の脳裏に浮かび、

あのかた、赤ちゃん亡くなったあと

どうされてるかなあ・・・