さいごまで「はい」と言えなかった母
2025/04/12日記に書きながら、久しぶりに
Aちゃんとお母さんのことを思い出した。
脳死になって、長期に入院すると
医療者と親との関係性は
信頼や絆が深まるばかりとは限らない。
Aちゃんは、受ける治療がないことから
地元の病院に移って行き
それから私は面会に行けなかったが、
急性期の治療を行う大きな病院に
ずっと置いてほしいことは聞いていた。
見放されるよう・・・
諦めたくない
とも聞いていた。
看護師さんからは
現状を「受け入れていない」と言われ
受け入れていくための対話が進められていたが
関係性の修復は難しい状況での転院。
会いに行きたいと思っていた矢先に
Aちゃんは静かに旅立った。
お悔みに、お家を訪ねると
お母さんから意外な言葉を聞いた。
病状は理解できていた。
現状も理解できていた。
「でも私が受け入れたら最後でしょ」
あー、そうだったの・・・
「はい、わかりました」
とは言えない、言うわけにいかない
せめぎあいのような境地に
一人苦しんでいたのだなあ
と思うと、病院の人には悪いけれど
がんばったなあ、お母さん
と思った。