どの患者の前でも言ってはいけないこと
2025/04/11「そういうことを話す所ではない」
と、医療者から言われると、つらい
と書いたが、
嬉しかった時が1回だけあった。
Aちゃんは、発熱後に意識をなくし
集中治療室で治療を受けたが
脳死になり、
何ヶ月も個室に入院していた。
お母さんは、毎日付き添い
目を覚ますと信じ続ける。
私はお母さんの話し相手として
病室を訪ねるようになった。
Aちゃんの容姿は変化していき
お母さんのストレスもたまっていった。
ある日、お母さんはいなかった。
体調を崩して来れなくなっていた。
看護師さんとも顔見知りになっていたので
この日は看護師さんと暫く話した。
看護師さんも悩んでいた。
お母さんとの接し方で。
口論になることは、お母さんからも聞いていた。
一向に快方に向かわないから。
治療も受けられなくなったから。
それは脳死だもの・・・
脳死との向き合いかたは、難しい。
脳死移植しない患者は、
生きている人として扱われるし、
子どもの場合、
相当長く生き続けることもできる。
そのAちゃんの体力、がんぱりが
家族の状況を悪くしていっている
とも映り、私言ってしまった。
「長すぎたんですかね」
看護師さんも、同様のことを
言いかけたけれど、言葉をのみ
「Aちゃんがいる所では」と。
はっとした。
2才の子でも「わからない」
とみなさないのが小児科。
さらには
脳死であろうと
本人を前にして言うことではないし、
聞こえているし、聞いている
と考えていることが
私は嬉しかった。
そして猛省した。